写真=Getty Images

キャプテンの吉田「全員が走り切ることが大事」

勝てば予選ラウンド突破、しかも3位以上での突破が決まっていた日本代表だが、トルコ戦では立ち上がりから大きくつまづき、相手に終始ペースを握られて敗戦を喫してしまった。第1ピリオドをのぞけば十分に戦えていただけに、試合開始当初の『ブラックアウト』は悔やまれるミスとなった。

試合後、内海知秀ヘッドコーチも「ゲームの出だしで先手を打っていかなければいけないところが、相手にリズムをつかまれた」と振り返る。敗因については「走る流れができていなかったこと、相手のディフェンスプレッシャーが非常に強くて、途中まで3ポイントシュートの決定率が良くなかったこと」の2つを挙げた。

その思いは選手にも共通している。キャプテンの吉田亜沙美は「ハーフコートオフェンスが多くなった分、スピードを生かしたプレーがありませんでした」と、走る流れができなかったことを悔やんだ。「オーストラリア戦に向けては、よりスピードを生かしたアップテンポな展開に持っていかなければいけないですし、ディフェンスでは5人全員で守る、リバウンドを取って、ウイングの選手もセンター陣も全員が走り切るということが大事です。これが日本のプレーでもありますし、日本の強さでもあります」

日本の生命線である3ポイントシュートを託された栗原三佳も、苦しかった試合をこう振り返る。「取ったら速攻という日本らしいプレーが出せず、リズムに乗り切れなかった試合でした。出だしで自分たちがやりたいオフェンスをやらせてもらえず、相手に自分たちがやりたいポイントをしっかり抑えられ、ワンテンポ遅れてしまい、周りもテンポがずれて、足が止まってしまいました。相手のボールマンプレッシャーが強いと言うよりは、相手のヘッドコーチもベンチから声が出ていましたが、上手くローテーションされてしまいました」

「オフェンスというよりもディフェンスが悪いゲームでした」と語った吉田。次戦に向けてさらにスピードを生かすことで、現状を打開していくつもりだ。

栗原「自分たちの通用している部分もある」

とは言え、最初の2試合で勝つというプラン通りの展開にはなっている。今日のトルコ戦、続くオーストラリア戦とフランス戦はレベルが一つ上で、日本代表としてもさらに上のパフォーマンスを見せる必要がある。

内海ヘッドコーチは言う。「走りの中で決めるべきシュートをしっかり決めていく。その中でも特に、今日のゲームでも最後に少し出ましたが、ドライブインしてレイアップにもっていく形をもっと作っていきたい」

吉田も考えは同じだ。「よりスピードを生かしたアップテンポな展開に持っていかなければいけないですし、ディフェンスでは5人全員で守る、リバウンドを取って、ウイングの選手もセンター陣も全員が走り切るということが大事です。これが日本のプレーでもありますし、日本の強さでもあります」

連戦を終えた日本にとって、明日は貴重な休養日となる。身体を休ませリラックスすると同時に、対オーストラリアの対策を練り、自分たちのプレーを見つめ直す一日だ。

栗原は言う。「私自身も悪いことばかりではなく、自分たちの通用している部分もあります。そういう部分を自信に変えて次につなげていきたいですし、今日のゲームを振り返って修正していきたいです。修正できればまた良いプレーができるので、プラスに考えていきたいです」

 特集  女子バスケ日本代表 メダルへの挑戦

[指揮官の全選手紹介]リオ五輪で世界に挑むバスケットボール女子日本代表12名

vol.1 吉田亜沙美 NEVER STOP――キャプテンは進み続ける
vol.2 間宮佑圭 史上最強のインサイド陣を支える『我慢』の女!
vol.3 本川紗奈生 勝ち気な切り込み隊長、故障を乗り越えリオに挑む
vol.4 髙田真希 最強のシックスマン、リオで輝け!
vol.5 栗原三佳 修行の先につかんだリオでの『爽快シュート』

リオ五輪内定者決定! 熾烈な競争の裏側と12選手の覚悟
リオ五輪へ向け準備を進める女子日本代表、欧州遠征での強化のポイント
女子日本代表、オーストラリアを迎えての国際強化試合が今日からスタート
アジア女王の日本代表、リオ五輪でのメダル獲得の可能性を探る

間宮佑圭が語るバスケ部時代vol.1「スカウトされちゃうんじゃ? とふざけていたら」
髙田真希が語るバスケ部時代vol.1「男勝りだった幼少期、空手経験もプラスに」
栗原三佳が語るバスケ部時代vol.1「考えるバスケとの出会い」

女子日本代表 関連記事一覧ページ