ロイス・オニール

「常に準備を怠らないこと。それが僕の際立った能力」

サンズとレイカーズの一戦はアップダウンの激しい試合となった。サンズは第3クォーターに13点差ビハインドをベンチメンバー主体で追い付き、第4クォーターにはレイカーズが再び2桁リードと押し返す。サンズはエースのデビン・ブッカー、ディロン・ブルックスにジョーダン・グッドウィンを欠く苦しい状況で、華麗なシュートはなかなか決まらなかったが、攻守のエネルギーで上回ることでレイカーズに食らい付く。

それでもサンズの最後の攻めでは華麗なボールムーブが見られた。グレイソン・アレンがアミア・コフィーのスクリーンを使ってリムアタックし、ゴール下で待ち構えるレブロンを引き付けて左コーナーのコリン・ギレスピーにパスを送り、ギレスピーは瞬時にロイス・オニールへとエクストラパスを出す。レイカーズはアレンに対して人数を掛けすぎたのかもしれないし、ギレスピーとオニールよりも逆サイドで待つジェイレン・グリーンに意識が向いていたのかもしれない。いずれにしても最高のボールムーブメントで完全なワイドオープンとなったオニールのラストショットで、サンズが113-110で接戦を制した。

ヘッドコーチのジョーダン・オットは、「グレイソンのドライブはベンチからも『行け!』と声が掛かっていた。彼はパスだけでなくペイント内のプレーをいくつも身に着けている。最後のシーンも、すべてはペイントを切り裂いた彼のディフェンスを引き付ける重力から始まった」とまずアレンを、続いてギレスピーをこう称えた。

「コリンは勝利を決められる能力を持った選手で、普段からもっとシュートを打ってくれて良いのだが、あの場面での状況判断は素晴らしかった。常に正しいプレーを選択する。その無私無欲の姿勢は最高だった」

それでも、この試合のヒーローは間違いなくロイス・オニールだ。13得点6リバウンド3アシストという数字は目立つものではないが、ルカ・ドンチッチのマークを担当しながら声を出すリーダーシップを発揮し、アップダウンの激しい試合展開でチームに落ち着きをもたらした。指揮官オットはゲームウィナー以上に彼の安定感を称えた。

「ロイスはいつも前向きで、笑顔で仕事にやって来る。多くのチームで修羅場をくぐり抜けてきた経験がある。常に準備万端で、どんな仕事もこなす彼は、新人ヘッドコーチの私にとって本当にありがたい存在なんだ。彼のガッツと知性がこのチーム全体を引き上げている」

オニールは「ゲームウィナーはネッツでも何度か決めたし、トリプル・ダブルをした試合で決めたこともある。でもサンズに来てからは初めてだね。僕はいつものように準備をして、パスが届けば決めるだけだった」とクラッチショットを振り返る。

「常に準備を怠らないこと。それが僕の際立った能力だと思っている。特にこのチームではスペースを重視するし、僕のシュートをみんなが頼りにしてくれる。だからこそ結果として決まるか決まらないかは関係なく、自信を持って打ち続けるんだ」

ただ、彼はゲームウィナーを決めたにもかかわらず、自分の手柄を必要以上に誇りはしない。第3クォーターに悪い流れを断ち切ったベンチメンバーの活躍を取り上げ、「最後は僕らが締めくくったけど、セカンドユニットが勢いをもたらしてくれた。全員が必死に戦って、勝ちたかった試合に勝てた」と語る。

自分の手柄は誇らなくても、全員の努力で接戦を制してファンを喜ばせたことは気分が良いとオニールは微笑んだ。「ファンは毎試合で僕らと一緒に戦ってくれる。シュートが決まらない日はディフェンスのギアを上げて泥臭く戦う僕らには、ファンのエネルギーが必要なんだ。接戦になればファンは最後に勝利を期待する。その気持ちに応えられて良かった。シュートが決まった時の盛り上がりは素晴らしかったし、観客が興奮する姿を見て僕らも同じぐらい興奮したよ」