
守備優先の起用、主力のプレータイムが伸びると停滞
シーズンも終盤戦に入り、東カンファレンスではプレーオフのストレートインとなる6位争いが激しくなってきました。3.5ゲーム差に6チームがひしめき合う大混戦で各チームの集中力も高く、ホークスが7連勝、ヒートが8連勝、そしてマジックも5連勝と調子を上げています。そんな中でラプターズは直近が4勝6敗、それも勝ったのは下位チームのみと勝ち切れなくなってきました。
不調の要因は得点が伸びないこと。この10試合の失点は109.9とディフェンスは機能しているものの、得点が111.4しかありません。ただし、速攻ではリーグ8位となる16.7得点を奪っています。問題はハーフコートでの構築力の低さで、パスは回すものの効果的なチャンスは作れず、最終的には個人の突破力頼り。それも機能しているとは言えません。
今シーズンのラプターズは運動量とシュート力を武器にしたハイテンポなバスケを展開してきました。11月は平均116.7得点で12勝3敗と好調でしたが、試合終盤ではスコッティ・バーンズを中心にした機動力も高さもあるディフェンスで勝ち切る強みもありました。そんな中で2年目のジャマール・シードとジャコービ・ウォルターのディフェンス力は、相手のエースを封じ込める重要な武器にもなってきました。
個人の成長もあってチームディフェンスが強化されたのですが、次第にディフェンス主体の戦い方に変化してきたことで、シュート力が特徴のグレイディ・ディックやジェイミソン・バトルのプレータイムが減り、気が付けばオフェンスが停滞していたのです。ベンチメンバーの誰もが活躍するのがラプターズの良さですが、誰もが活躍するからこそ使い分けが難しく、負けられない試合が続くからこそディフェンス優先の起用法になり、今の得点力不足に陥っています。
また、ローテーションメンバーを絞るとチーム全体の運動量が落ち、得意の早い展開が減ってしまうデメリットもあります。相手が強い時こそ大胆にベンチメンバーを起用していく必要があるのは、ラプターズ特有の事情ともいえます。実際、12月のNBAカップの準々決勝でもバーンズとブランドン・イングラムのプレータイムが長くなり、得点が伸びずに完敗しており、直近の戦い方に通じるものがあります。
ベンチメンバーの多彩さはラプターズが誇る最大の武器ですが、個人としてスターターより優れているわけではなく、試合展開によって使い分けるというのも簡単ではありません。そして大事な試合になればなるほど、リスクを負った起用法は難しくなってきます。それでも選手起用で勝ち筋を呼び込む、そんな大胆かつ論理的なローテーションを確立できるかどうかが、ラプターズの再浮上するキーポイントです。