
身体能力で圧倒するか、判断の悪さでミスを重ねるか
現地6月25日と26日に、ブルックリンのバークレイズ・センターで2025年のNBAドラフトが行われます。ロッタリーで指名順位が決まり、トレードの噂も盛んに流れていますが、今年のドラフトは豊作といわれ、各ポジションに高いポテンシャルを秘めた選手から完成度の高い選手まで異なるタイプが揃っているため、チームそれぞれの事情によって指名する選手が大きく変わってきそうです。
ドラフトが近づくにつれて評価が揺れ動いているのがエース・ベイリーです。恵まれた体格と高い身体能力を持つウイングで、そのポテンシャルは計り知れないものがあります。インサイドのフィジカル勝負でも、アウトサイドのスピードでも戦えるベイリーは、将来のスーパースター候補として期待されています。
ラトガー大でのシーズンでもポテンシャルの高さを発揮し、平均17.6得点、7.2リバウンド、1.3ブロック、1.2スティールとウイングに求められる仕事をすべてこなし、上位指名候補としてのポテンシャルを数字の面でも示しました。3ポイントシュートも35%と1年生としては悪くない成功率を残しており、スキル面での成長も期待できます。
しかし、プレー判断に難があり、それでいて身体能力で強引に打ち切るためタフショットが多く、フィールドゴール成功率に課題があります。また、アシストよりもターンオーバーが多く、ファウルも多いなど、弱点への不安も大きいタイプであることが、評価が分かれる理由になっています。
NBAでも通用する身体能力を生かして様々な局面で優位に立てるのか、それとも同レベルの身体能力を持った相手に判断の悪さでミスを重ねてしまうのか。トップ3での指名も予想されますが、完成度の高い選手も多い豊作のドラフトだからこそ指名を躊躇してしまうのがベイリーです。