新GMのスコット・ペリー「私は挑戦が好きだ」
キングスはプレーイン初戦でマーベリックスに敗れた。マイク・ブラウンの解任、『チームの顔』だったディアロン・フォックスの退団という波乱に満ちたシーズンが終わると、モンテ・マクネアがGMを解任された。
マクネアはブラウンを招聘し、フォックスとドマンタス・サボニスを中心にプレーオフ進出を果たしたが、若いチームはそこから伸び悩んだ。マクネアはこの体制でチームを立て直そうとしたが、オーナーグループの『命令』によりブラウンは解任され、それに腹を立てたフォックスがトレードを要求した。このチームにもうマクネアの仕事はなく、契約解除は自然な流れだった。
後任にはスコット・ペリーが就いた。デトロイト出身の彼は大学バスケを経て2000年にピストンズのフロントとしてNBAで働き始め、その後はシアトル・スーパーソニックスでケビン・デュラントを、マジックでアーロン・ゴードンを指名し、ニックスではジュリアス・ランドルやジェイレン・ブランソン獲得のトレードをまとめている。キングスではわずかな期間だがフロントで働いた経験があり、今回は復帰となる。
ペリーはキングスのGM就任に際し、「私は挑戦が好きだ。これまで私が働いたクラブは、プレーオフに進出できず苦しい状況にあったが、私が去る時には良い基盤ができていた。成功に必要なのは一貫性と安定性で、まずはそこを構築したい」と語っている。
ペリーがキングスのGMとして最初に行ったのはヘッドコーチ人事で、ブラウン解任を受けて暫定ヘッドコーチを務めたダグ・クリスティを正式なヘッドコーチとした。ペリーは複数の候補者と面談を行ったが、クラブやサクラメントの人々の気質を知り尽くしているクリスティこそが、再建に向かうキングスのトップに相応しいと判断したという。
現役時代を主にキングスで過ごし、2002年にカンファレンスファイナル進出を果たしたチームで主力だったクリスティは、クラブと強い繋がりがある。2021-22シーズンにルーク・ウォルトンのアシスタントとしてキングスに戻って来ると、アルビン・ジェントリーとブラウンのアシスタントも務めた。
「私の気持ちは分かっているだろう?」と就任会見でクリスティは話した。「栄誉と感謝、謙虚な気持ちだ。美しい宝石のようなチームを託してくれたことに感謝している」
23年前のプレーオフ、カンファレンスファイナルでクリスティを擁するキングスはレイカーズとの『GAME7』の末に敗退している。クリスティは「あの試合で心に空いた穴は、今もそのままだ。他のどんなものでも、この穴は埋められない。今回のヘッドコーチ就任は、それに挑む機会だと考えている」と言う。
キングスはあれ以来、カンファレンスファイナルを経験していない。その後の2年はクリスティを含む中心選手が残っていたが、カンファレンスセミファイナルで敗退。チームが解体に向かっても2年間はプレーオフに進出したが勝つことはできず。ブラウン指揮の下でプレーオフ復帰を果たすまでに17年を要した。
「多くの人がチームに根付く『文化』がいかに大切かを語るが、私は『文化』とは習慣が生み出すものだと思っている」とクリスティは語る。「良い習慣を確立させた上で、汗をかくことを厭わず、勤勉で忠実で、情熱を持つと同時に冷静さも保つ。そんな『文化』を作り上げたい」