契約合意の場合ブッカーを2029-30年まで契約下に
ケビン・デュラント、デビン・ブッカーというリーグ随一のスコアラーコンビを軸に上位進出を目指したサンズだったが、結果はまさかの36勝46敗。プレーイン・トーナメントにすら進出できず、プレーオフ連続出場が4年で途切れた。
この結果、チームは2004年に5年契約で加入した指揮官マイク・ブーデンフォルツァーをわずか1年で見切りをつけて解雇。今オフには36歳とキャリア晩年を迎え、再建に付き合う時間のないデュラントのトレードでの放出が確実視されている。
新生サンズを絶対的なエースとして引っ張っていくのはブッカーとなる。現在28歳とこれから全盛期を迎えるブッカーは、2015年のドラフト1巡全体13位でサンズに加入したサンズ一筋の生え抜きで、チームへの愛着も強い。この忠誠心に報いるためにも、サンズは今オフにもブッカーと契約延長を行う予定だとESPNが報じている。
現在のブッカーは4年総額2億2040万ドル(約320億円)の1年目を終えたばかりだが、チームは今オフに2年1億4980万ドル(約210億円)の延長をオファーするという。ブッカーがこの申し出を受けた場合、サンズは彼を2029-30シーズンまで契約下に置くことができる。そして1年平均100億円超という延長分のサラリーはNBA最高給クラスとなる。
ロースターの編成についてはブッカーを中心に据えるという継続性を示しているサンズだが、問題はヘッドコーチの起用だろう。2023年にマイク・イシュビアが新オーナーに就任して以来、サンズはモンティ・ウィリアムズ、フランク・ヴォーゲル、ブーデンフォルツァーと3シーズン連続で指揮官を解任している。
イシュビアは名門ミシガン州立大バスケットボール部に一般入部で所属し、2000年のNCAAトーナメント優勝も経験。NBAオーナーの中でも屈指のバスケットボール経験を持つ人物だ。同大は今シーズンで在任30年目を迎える名将トム・イゾーのもとで8度のファイナル4進出という実績を誇るが、イシュビアは母校とは異なる路線を選び、その結果チームは右肩下がりで成績を落としている。
今オフこそ、ブッカーと二人三脚で長期にわたってチームを託せる指揮官を見つけ出さなければ、負の連鎖を断ち切ることはできないだろう。