クリス・ミドルトン

「必要な時にロールプレイヤーになり、チームの要求に応えるため試合を通して自分の役割にアジャストする」

今オフ、NBAファンに最も衝撃を与えたのはバックスのデイミアン・リラード獲得だっただろう。ともに昨シーズン1試合平均30得点以上を挙げたリラードとヤニス・アデトクンボは、NBA随一の破壊力を備えた強力デュオとなる。

新シーズンのバックスが、この2人を中心に王座奪還を目指すことは間違いない。ただ当然ながら、2人に依存するだけの戦いでは長く過酷なNBAのシーズンを乗り切って頂点に立つことはできない。リラードとアデトクンボの負担を減らすキーマンになりそうなのがクリス・ミドルトンだ。

プロ2年目の2013-14シーズンからバックスに在籍しているミドルトンは、昨シーズンは故障に苦しみ33試合出場、平均15.1得点と消化不良な1年を過ごしたが、コンディションさえ万全ならアデトクンボに次ぐ得点源として平均20得点を挙げられるスコアラーだ。とはいえ、アデトクンボは絶対的な存在であり、こと得点力に関してはリラードのほうが格上であることは間違いない。ミドルトンがいかにうまく2人と共存するかということは、新シーズンのバックスにおける大きなテーマとなる。

リラードは超一流のスコアリングガードだが、ミドルトンにも長らく中心選手としてバックスを支えてきた実績と自負もあるだろう。しかし、彼はこれまでに比べて一歩引いた立場でチームを支える考えだ。

『The Athletic』の取材に対して、ミドルトンは「僕が考えているのは、必要な時にロールプレイヤーになること。チームの要求に応えるため、試合を通して自分の役割にアジャストすることだ」と語る。さらに「デイム(リラード)とヤニスは称賛とスポットライトを浴びるのに値する選手だ。彼らは多くの重要な役割をこなしている。彼らを助けてスペースを作り出し、2人の仕事を楽にすることにフォーカスしている」と続ける。

「時が経てば、自分らしくいられる時間が来る」と、新しい役割を担うことに不安を感じていないミドルトン。彼がリラード、アテトクンボのサポート役としても引き続き存在感を示せるかどうかは、今シーズンのバックスの行方に大きな影響を与えるに違いない。