古川孝敏が語るバスケ部時代vol.2「厳しい中でも皆と過ごせたことが一番」

2016/08/17
Bリーグ&国内
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文=鈴木健一郎 写真=野口岳彦

PROFILE 古川孝敏(ふるかわ・たかとし)
1987年10月20日生まれ、兵庫県出身のシューティングガード。激しいディフェンスと冷静なシュートを兼ね備え、いつもアグレッシブなプレーでチームを牽引する。2011年に日本代表デビュー。28歳にして今なお発展途上の努力家だ。

厳しい中でも皆と過ごせたことが一番

中学や高校では、ちゃんとしたフィジカルトレーニングはやっていません。中学の時は、週に1日だけ体育館が使えない日に、みんなで腕立て伏せや腹筋をやっていました。高校も一応トレーニングルームはありましたが、そこで時間を使うよりも練習をやっていました。専門的なトレーニングを始めたのは、大学になってようやくですね。

ですが、身長はもちろん、スピードやジャンプ力があるに越したことはないのですが、バスケは身体能力だけではありません。100のスピードがあっても、ただ1と100しか出せないのであれば意味はないです。例えば1から50までのスピードをすべて使い分けられれば相手を翻弄できる。タイミングをずらしたり、相手より一歩先に走り出せれば、スピードがなくても自分のほうが先に行けるわけですし。

ディフェンスを騙す。オフェンスではこれが一番大事です。ディフェンスでは逆に自分から仕掛けてオフェンスを騙すこともあるので、タイミングによる一歩の差、半歩の差が重要になってきます。逆に身体能力に頼りすぎてしまうと、ファンダメンタルがおろそかになってしまいかねません。基礎を意識することは大事です。

高校の頃の自分を考えると、そんなことは全然考えていませんでした。それこそ自分が持っている能力だけでやっていました。今でももっとそこは突き詰めていきたいと思っています。ここ数年で相手のタイミングをずらして相手を翻弄することが分かってきたように感じます。レベルが上がっていくにつれて簡単にシュートは打たせてもらえなくなりますから、ずらしたタイミングで行ったり、止めてまた一歩出したり、という駆け引きが必要になってきます。

バスケ部での生活は厳しかったですが、その環境の中で同級生の仲間と一緒にやれたのは良かったですね。やっぱり横のつながりはすごく大事です。もちろん大学の友達もいますけど、高校3年間であれだけ濃い時間を一緒に過ごした仲間たちとのつながりは強いです。厳しい中でも皆と過ごせたことが一番で、周りが苦しんでいる時や悩んでいる時に助けてあげるところがありました。

リーダーシップを発揮するタイプではありませんでした。言葉で引っ張るのは得意ではないです。僕は別にキャプテンもやっていないし、言葉で引っ張るというよりはまずは自分のプレーをしっかりしなきゃいけないと思ってプレーしていました。

バスケと勉強の両立は……できてなくはないですかね? もちろん勉強も頑張りましたよ。赤点は取ったことは一度もないです。ちゃんと勉強していました。大学でも単位を落としたことはほとんどありません。

バスケ部での生活は厳しかったが、それだけに一緒に過ごした仲間との絆は強い。古川も「高校3年間であれだけ濃い時間を一緒に過ごした仲間たちとのつながりは強い」と言う。

バスケット・グラフィティ/古川孝敏
vol.1「ライバルに負けたくない一心で」
vol.2「厳しい中でも皆と過ごせたことが一番」
vol.3「強いだけでなく良いチームでやりたい」
vol.4「トップの選手こそ工夫をしている」