古川孝敏が語るバスケ部時代vol.3「強いだけでなく良いチームでやりたい」

2016/08/18
Bリーグ&国内
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文=鈴木健一郎 写真=野口岳彦

PROFILE 古川孝敏(ふるかわ・たかとし)
1987年10月20日生まれ、兵庫県出身のシューティングガード。激しいディフェンスと冷静なシュートを兼ね備え、いつもアグレッシブなプレーでチームを牽引する。2011年に日本代表デビュー。28歳にして今なお発展途上の努力家だ。

強いだけでなく良いチームでやりたい

自分が選手として伸びたのは大学に入ってからです。僕が東海大学の1年生の時の4年生に、竹内譲次さん、石崎巧さんといった日本を代表する選手がいて、僕が入部する前年にはインカレでも優勝していて、チーム自体が大学バスケのトップにいました。

「バスケで食べていく」という意識を持つようになったのも大学からです。高校時代は漠然と「トップのリーグでやるってすごいな」と思うぐらいでした。僕はU-18にも入っていなかったので実感を持っていませんでした。それが大学に入って、先輩たちがトップのリーグに入っていくのを目の当たりにして、意識が高まっていきました。

大学には間違いなく進学するつもりで、バスケで大学に行きたいと思っていました。関西より関東のほうがレベルが高いと聞いて、最初の進路指導で「関西の大学には行きません」と宣言しました。高校のOBから色々教えてもらいました。強いだけではなく、良いチームでやりたいと思って。そうして東海大学に行くことになりました。

でも、東海大学のヘッドコーチの陸川章さんは僕のプレーを見たことがなかったようです。高校の監督のツテで見てもらえないかと話していただいて、プレーをまとめたビデオを送りました。それで気に入ってもらえたのではないかと思います。

それまではずっと関西だし、親元で過ごしていたので、楽しみな反面、不安もありました。寮に入るという感覚も分からなかったですね。かなりドキドキの大学進学でした。ただ、高いレベルでバスケをやりたいという気持ちで決めたので、行けて良かったと思っています。大学に入ってがむしゃらに頑張って、1年生からスタメンで試合に使ってもらえました。ですが、2、3年生になってケガをするなどして、苦しい時期も経験しています。

バスケ部時代を思い返すと、中学や高校の時にもう少し考えてプレーしていればよかったと思います。あの頃は、毎日一生懸命バスケをやっていましたが、目の前のことをただこなしていただけだとも言えます。それは今だから分かることではあるんですが……。例えば様々な練習がある中で、自分なりの工夫を考えたりしていれば、もっと成長できていたかもしれません。

今バスケ部で頑張っている選手たちに伝えたいのは、一日一日を大事にして、何のために練習しているのかをイメージすることが大事だということです。シュート練習にしてもただ漠然と打つのではなく、試合をイメージしながら集中して打つほうが意味があります。ただ長く練習すればいいわけではなくて、短い時間でもしっかり集中して一つのことをこなすのも大切です。

中学生や高校生だと元気があるので、毎日がむしゃらにやるのも大事ですけど、しっかり考えることができればもっと良いです。あとはファンダメンタルをしっかりやること。華麗なプレーに目が行きがちですが、そのようなプレーは基礎がしっかりできているからこそできるプレーです。基礎は絶対に必要なので、つまらない練習だと感じても、それを一生懸命やることが大事だと思います。

古川はバスケ部で頑張る中高生に「一日一日を大事にして、何のために練習しているのかをイメージすることが大事」というメッセージを送った。

バスケット・グラフィティ/古川孝敏
vol.1「ライバルに負けたくない一心で」
vol.2「厳しい中でも皆と過ごせたことが一番」
vol.3「強いだけでなく良いチームでやりたい」
vol.4「トップの選手こそ工夫をしている」