より高いレベルを目指し、戦って勝ち取った大型契約
今オフにフリーエージェントとなったアンソニー・デイビスが、レイカーズとの契約延長に合意した。短期契約の可能性もある中で、5年1億9000万ドル(約200億円)のマックス契約を結んでいる。前日にはレブロン・ジェームズも2022-23シーズンまで契約を延長しており、これで少なくとも今後3シーズンはレブロンとデイビスのタッグを軸にレイカーズは戦うことになった。
デイビスは2012年のドラフト全体1位指名でニューオーリンズ・ホーネッツに加入。2013-14シーズンからペリカンズと名前を変えたチームの中心として7シーズンを過ごしたが、7年目の途中に突如としてトレードを志願する。シーズン途中のトレードは成立しなかったが、この時からレイカーズ入りは既定路線。シーズン終了とともにレイカーズはヤングコアと1巡目指名権3枠と交換でデイビスを獲得した。
この時点でレイカーズは優勝候補の本命と見られていたわけではなかった。レブロンを迎え入れての1年目はプレーオフ進出という最低限のノルマも果たせず、デイビス獲得で立て直しを図ったところ。この時も激戦の西地区でどこまで勝てるか、懐疑的な見方はあった。だが、結果は知っての通りのNBA優勝。レブロンとデイビスの軸は完璧に機能し、その脇を固める選手たちも含めたチームバスケットが機能したことでレイカーズはNBAのトップに返り咲いた。
ペリカンズを去るというデイビスの決断は、ファンからは『裏切り』と見なされた。チームの顔だったデイビスが、トレード志願をした後はホームアリーナで地元ファンからブーイングを浴びることにもなった。それでも当時の彼は「これはビジネス」と割り切り、優勝争いのできる環境に身を置き、そこでチームを勝たせることで自らの価値を高めた。
ペリカンズのエースだった時点で、彼はNBAのオールスター選手だったが、名門レイカーズを復活させた今、その選手としての価値は何倍にも高まっている。居心地の良いペリカンズで、オールスター選手の地位をキープする方が簡単だったはずだが、彼は競技者として新たな挑戦に打って出て、そこで成功をつかんだ。
2019-20シーズンには2700万ドルだった彼の年俸は、これから始まる新シーズンには3200万ドルとなり、年々上がって最終年の5年目には4300万ドルを超える。これはデイビスが貪欲に上のレベルを目指し、戦って勝ち取ったものだ。