
ラスト3分の勝負どころでジョージアが12-2と圧倒
すべての試合で接戦が続く決勝トーナメントのラウンド16。グループ首位で勝ち上がってきたフランスと4位だったジョージアの対戦も、試合開始から終盤まで一進一退の攻防が続き、残り3分で同点の接戦となりました。最後に抜け出したのはジョージアでした。
今大会のフランスは長らく中核を担っていたエバン・フォーニエがいなくなり、ビクター・ウェンバニャマも不参加でオフェンスの核がいません。分厚い選手層を強みに、誰が出ても変わらぬチーム力を発揮するものの、どのようなオフェンスをするのがベストなのか、見いだせないままの戦いが続いていました。
一方のジョージアはグループリーグが接戦続きだったことで、主力のプレータイムが長くなり、戦い方の共通理解が深まってきました。各選手にボールを持ちすぎる傾向があるものの、それぞれがやりたいことを理解していれば、連携も生まれてきます。試合は両チームの傾向が強く出る展開となりました。
スターターの時間はジョージアが先行しますが、ベンチメンバーが増えるとフランスが追いつく展開に。スターターがコートに戻るとまたもジョージアが一歩抜け出します。そのため、後半になるとフランスはスターターやローテーションを変更して対抗し、ジョージアは主力のプレータイムを長くして対抗していきました。
そんな中で目立ったのはジョージアのトルニケ・シェンゲリアとカマー・ボールドウィンの2人。フランスがNBAプレーヤーのゴガ・ビターゼとサンドロ・マムケラシュビリを警戒する中で、優位なマッチアップやオープンになることが多く、ともに24得点でオフェンスを牽引しました。

選手層で戦ったフランス、頼るべきエースの不在が響く
フランスはテオ・マレドンとイザイア・コルディニエのガードコンビでスタートするも、プレータイムが長くなったのはシルヴァン・フランシスコとエリ・オコボの2人となり、また最もアシストが多かったのがセンターのムハマドゥ・ジャイテの4つと、起点が定まりません。
特に大きな差になったのが3ポイントシュートです。フランスはワイドオープンでもほとんど決められず、36本中6本成功の16.7%に留まったのに対して、ジョージアのアテンプトは半分の18本ながら10本成功の55.6%を記録しました。そして同点の残り3分からジョージアが12得点を奪ったのに対し、フランスは2得点止まり。重要な局面で頼るべきエースの不在が試合を決めました。
前回大会優勝のスペインに続いて、準優勝のフランスも早期敗退と、勢力図が大きく変化したことを示すような今大会。接戦が続くからこそ、戦い方が明確になっているチームが勝ち進んでいます。