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相思相愛のペリカンズ残留だったはずが一転

来シーズンの西カンファレンスは、レブロン・ジェームズのレイカーズ移籍によって史上稀に見る群雄割拠の時代に突入する。だが、ライバルになり得るレイカーズが著しく戦力をアップしている様を、王者ウォリアーズはただ傍観しているわけではなかった。

7月2日、ウォリアーズがペリカンズからフリーエージェントになったデマーカス・カズンズとの契約合意を取り付けたと『ESPN』が伝えた。『ESPN』によれば、カズンズはマックス契約ではなく、1年530万ドル(約5億9000万円)という格安の契約で加入するという。

当初はペリカンズとの再契約が確実と言われていたカズンズが、その方針は大きく転換した。今年の1月末に左アキレス腱断裂という重症を負ったカズンズは、先日Twitterに順調にリハビリをこなす様子を収めた動画を投稿したばかり。ペリカンズでやり残した仕事を終えるために再契約、という流れが既定路線と見られていただけに、この選択には驚きを隠せない。

ウォリアーズ移籍を決めた理由として考えられるのは、ペリカンズから納得できるだけのオファーが届かなかった、あるいは選手として完全復活を果たした上で来オフに希望通りのマックス契約を手にする方を選択した、それとも単純に優勝リングを追い求めたかのいずれかだろう。何にせよ、ウォリアーズはジャベール・マギーが抜けた穴を完璧な形で埋めることに成功。敏腕GMボブ・マイヤーズによる『逆転満塁ホームラン級』の補強を実行した。

アキレス腱断裂からの復帰時期は早くても年末、もしくは年明けになる。それでも労せず、しかも格安で現役トップクラスのビッグマンを獲得した以上、王者のスリーピート(三連覇)は早くも盤石なものになりつつある。

レブロン獲得に沸くレイカーズを尻目に余裕すら感じさせるウォリアーズの手法は、まさに抜け目がない。