トム・ホーバス

富樫勇樹、馬場雄大と富永啓生を追加招集

7月27日、バスケットボール男子日本代表は8月5日に開幕する『FIBAアジアカップ2025』の大会登録メンバー12名を発表した。今後はカタール遠征を行い、カタール代表とサウジアラビア代表との練習試合を実施。ここにはリザーブメンバーとして山﨑一渉が帯同する。

パリオリンピック終了後、ロサンゼルスオリンピックに向けて新たなサイクルに入った日本代表は、これまで実施された6試合の強化試合でNCAA組など多くの若手にチャンスを与えてきた。しかし、直前になってベテランの富樫勇樹、NBAサマーリーグを終えた馬場雄大と富永啓生を加えた。彼ら3名の加入によりチームの経験値と安定感は大きく向上する。

トム・ホーバスヘッドコーチも、「3人の新しいメンバーはウチのバスケを分かっています」と大きな信頼を寄せ、本大会に向けて「まずはグループフェイズで1位になりたい。それができたら良い道ができると思います。グループ終了後に新たな目標を作ります」と語る。

日本はシリア、イラン、グアムと一緒のグループBで、ホーバスが語るようにここで1位になれるかどうかで状況が大きく変わってくる。まず1位になればベスト8進出決定戦を回避できる。またグループBで2位か3位になると、グループAの2位か3位と進出決定戦を戦うのだが、グループAはカタール、オーストラリア、韓国、レバノンと強豪揃いで、ベスト8の前からいきなりタフな戦いを強いられる。

富樫勇樹

直前合流の富樫「いつ呼ばれても良い状態でいました」

12名のメンバーでサプライズがあったとすれば、強化試合では同時にベンチ入りしなかったビッグマンの狩野富成と川真田紘也が揃って選出されたことだ。ホーバスも「2人を一緒に選ぶことはないと思っていました」と明かすが、それを覆した理由はジョシュ・ホーキンソンの負担軽減だ。

「この大会は試合が多く、オフの日も少ないのでジョシュを守りたいです。ジョシュは3ポイントシュートがよく入っています。もし30分出るなら、たまには4番ポジションに入った方がいい。そうなると川真田選手、狩野選手が必要です。川真田はウチのバスケをよく分かっていてスクリーンがすごく上手です。狩野選手はリング上のディフェンスができて面白いです。2人とも使いたいです」

直近のデンマークとの強化試合では得点力不足を露呈した。この課題快勝の切り札と期待されるのが、ホーバスのスタイルを熟知するスコアリングガード、富樫の合流だ。

「今年の夏にプレーしないと決めていたわけではなく、練習に顔を出してトムさんと話はしていました。常に準備をしていて、いつ呼ばれても良い状態でいました。出る出ないはギリギリまで分からなかったですけど、3回目のアジアカップに出られることをうれしく思います。6試合の強化試合を見て、数字に出ていますが点数が取れていません。ペースが大きく影響していると思うので速くしていきたい」と、自身の求められる役割を語る。

優勝はもちろん、前回のベスト8を上回ることも簡単ではない。ただ、自分たちのやりたいバスケが遂行できれば頂点に立てる実力を備えている。カタールでの練習試合でチームの完成度を高め、万全の状態で大会を迎えてほしい。

日本代表チーム FIBAアジアカップ2025 登録メンバー
#2 富樫勇樹(PG/31歳/167cm/千葉ジェッツ)
#4 ジェイコブス晶(SF/21歳/203cm/フォーダム大)
#7 テーブス海(PG/26歳/188cm/アルバルク東京)
#13 金近廉(SF/22歳/196cm/千葉ジェッツ)
#14 狩野富成(C/23歳/206cm/サンロッカーズ渋谷)
#18 馬場雄大(SF/29歳/196cm/–)
#19 西田優大(SG/26歳/190cm/シーホース三河)
#23 ジャン・ローレンス・ハーパージュニア(PG/22歳/181cm/サンロッカーズ渋谷)
#24 ジョシュ・ホーキンソン(C・PF/30歳/208cm/サンロッカーズ渋谷)
#30 富永啓生(SG/24歳/188cm/レバンガ北海道)
#91 吉井裕鷹(SF/27歳/196cm/三遠ネオフェニックス)
#99 川真田紘也(C/27歳/204cm/長崎ヴェルカ)