
「積極的に得点を取りに行っていないからこそ、アシストも増えない」
バスケットボール男子日本代表は『FIBAアジアカップ2025』のグループリーグ2試合を終え、1勝1敗で本日のグアム戦に臨む。
先発ポイントガードを務めるテーブス海は勝利したシリア戦では27分出場の6得点3アシスト3リバウンド、敗れたイラン戦では18分出場の6得点4アシスト4リバウンドを記録。そして2試合とも3ターンオーバーを喫してしまっている。
強化試合でのテーブスは2桁得点をコンスタントに挙げるなどオフェンスを牽引していた。しかし、本大会では、本来のアグレッシブなプレーができていない。それは本人も感じており、これまでのプレー内容をこのように振り返る。
「強化試合でうまく行っていた自分で得点を挙げること、味方のオープンシュートのクリエイトに絡めていた部分がこの2試合ではあまりできていないイメージです。あとは自分がコートに立っている時、周りがうまくまとまっていないと感じていて、それは自分の責任だと思っています」
これまでの代表でのテーブスは控えでの役割が大半で、メインガードとして主要大会に臨むのは今回が初めてだが、「代表の公式戦でこれまでにも先発の経験はあります」と起用法の違いに戸惑いはない。しかし、メンタル面において少しの変化があったという。「シンプルに2試合とも向こうのディフェンスに対応するためチームとしてどう動けばいいのかを考えすぎて、自分から攻める気持ちが欠けていました。自分で積極的に得点を取りに行っていないことで、アシストも増えていないと感じています」
トム・ホーバスが指揮を執る日本代表において、司令塔が自ら得点を取ることはオフェンスの活性化に繋がる。それはテーブスも理解しており、強化試合のスタッツにも表れていた。だが、いざアジアカップ本大会が始まると、生粋の司令塔として周りをいかに気分良くプレーさせるかに意識が向きすぎてしまい、それがマイナス効果を生み出していた。

「どういった形でもいいので、チームに貢献できたら」
テーブスは自ら仕掛けることと、周りを生かすことのバランスをどう取るべきか悩んでいた。「これまでの強化試合で結構点を取っていたからこそ、アジアカップを長い目で見た場合、周りに点を取らせて波に乗ってもらう。その中で自分は空いた時に打って良いリズムを作れたらと正直、考えていました。ただ、その姿勢が自分の積極性が欠けることに繋がり、逆に自分も周りも(リズムに)乗れない状況になってしまっています」
また、イラン戦の最終クォーターには、ホーバスヘッドコーチが「オフェンスがちょっとおかしくなりました」と語る安易なターンオーバーを喫したことで、テーブスは直後に富樫勇樹との交代でベンチに下がることに。そして、そのままコートに戻ることなく試合終了のブザーを聞いた。
メインガードとして起用されながら終盤の大事な場面でコートに立てなかったことについての悔しさはあるのかを尋ねると、テーブスは「それはあります」と言い、先発としての矜持を見せる。そして交代の原因となったパスミスを「チームが遂行しようとしていたプレーだったのでパスの選択に後悔はないです。ただ、ターンオーバーが生まれてしまったので、もっとうまくやらないといけないです」と続けた。
本日のグアム戦に向け、テーブスは「勝つために、自分がコートに立った時はどういった形でもいいので、チームに貢献できたらと思います」と言う。勝利が第一ではあるが、過去2試合とは違ったパフォーマンスで、チームと共にテーブス個人としても本来の姿を取り戻してもらいたい。