クリスタプス・ポルジンギス

自国開催のユーロバスケットに集中「実力以上を出す」

クリスタプス・ポルジンギスは久々の代表活動に参加している。その会見でセルティックスからホークスへのトレードについて質問されると、「居心地の良いチームに移籍できてうれしい」と語った。

セルティックスはジェイソン・テイタムがアキレス腱断裂で新シーズンの全休が予想されるため、去年のNBA優勝に貢献したベテランを放出してのチームの再編成を図った。「多くの報道が出ていたし、サラリーキャップの関係もあって、このメンバーで長く一緒にはいられないだろうと感じていた」とポルジンギスは言う。

それでも彼は、トレードについてほとんど心配していなかった。「正直、僕はどこでプレーするかをあまり気にしない。ウィザーズでは注目度が低かったけど、それはそれで快適だった。セルティックスでは注目度が上がり、優勝できたのはうれしかったけど、すべては想定の範囲内だった。つまりほとんどの場合、僕はハッピーでいられるんだ」

優勝候補のセルティックスから2年連続でプレーオフ進出を逃したホークスへの移籍は、多くの選手が嫌がるだろうが、ポルジンギスは違う。「プレーオフ当落線上のチームで、プレーオフに進出してもファーストラウンド止まり。そのチームに自分が何かを付け加え、東カンファレンスのサプライズチームになれたら最高だよね」

昨シーズン後半は体調不良に苦しんだが、シーズン終了後は静養に努めたことで、ユーロバスケット開幕には間に合った。「代表でプレーしたいか、なんて愚問だよ。僕は代表チームへの参加を拒否したことはない。プレーしない時はケガのせいだ」とポルジンギスは言う。

ここ数年で彼が代表活動に参加したのはワールドカップ予選の2試合のみ。人口186万人の小国ラトビアはバスケ人気が高く、オリンピックには出場できていないものの、2023年のワールドカップでは5位と躍進して、ユーロバスケット予選でも6戦全勝。今回はホスト国とあってファンが盛り上がるのは間違いない

「ホームアドバンテージがある中で国民は優勝を期待している。メダル獲得がノルマだね」とポルジンギスは語る。「現実的に考えれば簡単な試合は一つもないけど、『ベスト8でいいや』とは絶対に思わない。でも『絶対に勝たなければ』と思うとプレッシャーになるから、『自分たちのやるべきことをやって、その結果を受け入れる』というスタンスでいくよ。僕らを応援する大勢のファンの前でプレーできることをプレッシャーに感じるのではなく、前向きに受け止めて利用したい」

現地8月27日の開幕戦では強敵トルコと対戦。第3戦ではニコラ・ヨキッチを擁するセルビアと対戦する。この2試合がラトビアにとっては上位進出のカギとなる。ポルジンギスはこう語った。「このチームには可能性がある。だからできる限り高い目標を見据えて、実力以上のパフォーマンスを出したい」