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ドラフト会場でのブーイングは『縁起が良い』?

ニックスが先週のドラフト全体9位でケンタッキー大学出身のケビン・ノックスを指名した際、会場にいたニックスファンがノックスにブーイングを浴びせたことが話題になった。しかし、これはニックスファンならではの『縁起担ぎ』。よく見るとクリスタプス・ポルジンギスのジャージーを着たファンが笑顔でブーイングしている。また、幼いファンからは「なんでこんな選手を指名したんだ」という小芝居も見られた。

ドラフトでのブーイングといえば、2015年に全体4位で指名したポルジンギスに向けられたものが有名で、当時のファンはアメリカで無名だったポルジンギスの指名に反発。だが、当のポルジンギスはブーイングを涼しい顔で受け流した。それからの彼の活躍は、説明するまでもない。 ノックスは、ドラフト指名後ポルジンギスと話をしたことを『ESPN』に語っている。そして、先輩から助言を受けたと言う。「彼に、『あなたと同じくらいブーイングされたよ』と伝えたら、笑っていたよ。でも、『それはモチベーションになる。すぐにファンも君に声援を送ってくれるようになるさ』と言ってもらえた」

ノックスは元NFL選手だった父と、大学でバレーボールをプレーした母との間に生まれ、身体能力が高く、オールラウンドに優れるフォワードだ。U-16とU-17のアメリカ代表にも選出されており、FIBAの大会で金メダルを2つも獲得。得点能力も高く、ドライブからの突破力にも秀でている。ドラフト会場にいたファンは、ノックスが将来有望なことを知っていて、あえてブーイングを浴びせたのだろう。

『ニューヨーク流の歓迎』を受けたノックスには、『形式上』のブーイングであってもモチベーションに変えて、1年目からマディソン・スクエア・ガーデンを沸かせてもらいたい。