西野曜

「やることをちゃんとやれば結果はついてくる」

3人制バスケットボール『3×3』の男子日本代表チームは東京オリンピックへ向けた強化合宿を行っている。

ディレクターコーチのトーステン・ロイブルが「選手選考は非常に難しいチョイスになってくる」と言うように、参加メンバーには3×3を専門とする選手やBリーグと両立する選手など10名が選ばれた。その中で唯一の大学生プレーヤーである西野曜は、練習でも鋭いパスや外角シュートなどを見せ、合宿初日から存在感を発揮していた。

新年早々の合宿ではあったが、「合宿前にも3×3をやっていて準備はしていたので、良いスタートを切れたと思います」と手応えを語る。

所属する専修大は先月のインカレで決勝で敗れたが、西野はチームの中心選手として存在感を見せた。西野が3×3を始めたのは2019年の2月からだというが、5人制と3人制の両立について、「一緒に見えて全く違います。そこまで両立が大変という意識はなく、やれることをやろうという感じです」と語る。

「根本的にはやっていることは一緒ですけど、コンセプトは違うので3×3は自由で楽しいです。5人制は頭を使って理論的なバスケも求められます。3×3はセンスが問われるというか、時間が短いのでとにかく得点を取らないといけない。5人制よりもどれだけ得点に絡めるかが勝負になってきます」

3×3男子日本代表はすでに東京オリンピックの出場権を獲得している。メダル獲得を目標に掲げる日本代表において、若い西野としてはまずはメンバーに残るためのアピールが必要だ。西野も「オリンピックのメンバーに入りたいので、気持ちを出して選ばれるように努力しています」と意気込みを語る。

しかし西野はクールな雰囲気で闘志むき出しというタイプではない。本人も「どちらかというとそうですね」と認めつつも「やることをちゃんとやれば結果はついてくると思うので、計画を立ててやるだけです。まずは選ばれることが目標なので、このメンバーだと身長があって機動力があるところが自分の強みだと思っていて、そこは誰にも負けません」と話す。

そして、「3×3では2ポイントシュートが大きいので、自分のプレーの幅を広げる意味でも外角の精度を上げていきたいです。外が入るようになれば、相手も警戒して出てくるので抜きやすくなるので、外を磨くことに今は意識を置いています」と、2ポイントシュートが3×3で自分が生きるカギになると見ている。

西野曜

「3×3では5人制よりも日本のスピードは武器になってくる」

西野はこれまでにU23ネーションズリーグに日本代表として出場したりと、国際大会の経験もある。「海外の選手は高さがある分、横の動きがなくて抜きやすかったです。高さとか足りていないところは、違う部分で補えている手応えがありました。監督も日本の武器はスピードと言っていますが、3×3では5人制よりも日本のスピードは武器になってきます。その強みを生かしていけば、メダル獲得も本当にあると思っています」

今回のメンバーで大学生は西野ただ一人。「意識はしていません」というが、周囲の変化は感じている。

「自分では意識していなくても、周りからはそうやって見られているんだなとは思います。自覚はあるので、それを行動に移してもっと努力すれば自分にもプラスになります。プレッシャーではないけど、それを良い形に変えていきたいです。メンバーに選ばれたら責任感ももちろんありますし、それを大学のチームに還元して、みんなに刺激を与えられるような選手になりたいです」

東京オリンピックを見据え、今は国内ランキングで10位以内に入ることを目標に3×3の大会にも出場している。5人制では「インカレはもちろん優勝したいですけど、まずは5月にスプリングトーナメントがあるので、そのタイトルを獲ろうと目標に掲げています」と意気込む。大学生活最後の年、3×3でのオリンピック出場と専修大でのタイトル獲得に向け、突き進む西野に期待したい。

3×3バスケットボール男子日本代表チーム 第4次合宿参加メンバー
アイラ・ブラウン(F/大阪エヴェッサ)
小松昌弘(F/ TOKYO DIME.EXE)
落合知也(F/越谷アルファーズ・TOKYO DIME.EXE)
小林大祐(G/茨城ロボッツ・UTSUNOMIYA BREX.EXE)
永吉佑也(F/京都ハンナリーズ・KYOTO BB.EXE)
藤高宗一郎(F/大阪エヴェッサ・EVESSA.EXE)
橋本拓哉(G/大阪エヴェッサ)
保岡龍斗(G/秋田ノーザンハピネッツ・SEKAIE.EXE)
杉浦佑成(F/サンロッカーズ渋谷・TACHIKAWA DICE.EXE)
西野曜(F/専修大学3年・BEEFMAN.EX)