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選手の弱点をカバーし長所を引き出すユニークなボーナス

今夏ヒートと契約を結んだディオン・ウェイターズ、ケリー・オリニク、ジェームズ・ジョンソンの契約に、それぞれ異なるタイプのボーナスが含まれていることが分かった。

『ESPN』によれば、3選手のボーナスは、出場試合数、出場分数、体脂肪率(または体重)に関係するという。

まずウェイターズのボーナスから見てみよう。ヒートはウェイターズと1100万ドル(約12億円)で再契約。彼の弱点はケガが多くシーズンを通して稼働できないことだ。NBAでのキャリア5年でレギュラーシーズン82試合に出場したことは一度もない。昨シーズンは負傷により46試合の出場にとどまった。そこでヒートは、もしウェイターズが今シーズン70試合以上に出場したら110万ドル(約1億2000万円)のボーナスを支払うという。

サンダーに所属した2015-16シーズンには78試合に出場しており、コンディション管理の意識を高めれば達成できないわけではない。ヒートは分かりやすい『ニンジン』をぶら下げることでウェイターズをフル稼働させようと目論む。

昨シーズンまでセルティックスに所属したオリニクは、今夏1060万ドル(約11億円)でヒートと契約。年間のプレータイムが1700分を超えれば100万ドル(約1億1000万円)のボーナスが付く。ウェイターズのケースと似ていて、オリニクのキャリアハイは昨シーズンの1538分。

オリニクはハッサン・ホワイトサイドに続く2番手のセンターという位置付けだが、ルーキーのバム・アデバヨよりも上の序列を保つ必要がある。普通に考えればプレーオフも経験しているオリニクが圧倒的に優位だが、身体能力に長けたアデバヨは、サマーリーグで首脳陣に好印象を与えてもいる。キャリア5年目を迎えたオリニクに気の緩みが出てくる可能性を考慮し、先に釘を刺した形だ。またプレーオフ進出を決めれば、また別のボーナスも設定されているという。

面白いのはジョンソンの契約。決められた体脂肪率あるいは体重を年間を通じてキープできればボーナスが支払われるというもの。ヒートは以前、ティム・ハーダウェイにも同じボーナスを設定していた。ジョンソンは7年のキャリアで多くのチームを渡り歩いたジャーニーマンだが、ヒート1年目の昨シーズンに大幅な肉体改造に着手。約18kgの減量と身体を絞った結果、パフォーマンスが向上。12.8得点、4.9リバウンド、3.6アシストのすべてでキャリアハイをマークした。

ユニークなボーナスを多数採用するヒートだが、これで選手が頑張ってチームの成績も上向くのであれば、ボーナスなんて安いもの。様々な『ニンジン』をぶら下げて長いシーズンを走るヒートの選手たちに、ボーナスの達成状況ともども注目したい。