
「このチームは家族同然。それがここに戻る理由」
マイク・コンリーはNBAキャリア19年目のベテラン司令塔で、ドラフトされたグリズリーズで13シーズンを過ごした後、ジャズを経てティンバーウルブズでプレーしている。ウルブズには2023年2月のトレードで加入した。ちょうどウルブズが西カンファレンスへの強豪へと駆け上がる時期で、若いチームを見事に統率するコンリーは絶対的な司令塔として高く評価され、加入から1年後には36歳にして2年2100万ドル(約37億円)の契約延長を勝ち取っている。
その契約最終年となる今シーズン、彼はついに衰えを見せた。盤石の安定感に狂いが生じ、先発を外れることに。そして2月、フロントはサラリーキャップのファーストエプロンを回避するためにコンリーをブルズへと放出。その翌日にはブルズからホーネッツに再びトレードされ、そこで解雇された。
「トレードは以前にも経験していたけど、今回は予測ができなかった。家族と一緒に引っ越しをしなきゃならないのに、シカゴかシャーロットかどこに行くか分からず、自分の意志ではどうにもならない流れに乗っている感覚だった」とコンリーは言う。
2週間後に彼はウルブズに復帰する。「最初のトレードの翌日に『コンリーにウルブズ復帰の可能性』という記事を見て、初めてその可能性を知った。その時点で『そうなってほしい』と感じたよ。勝ち負けを別にして、このチームの結末を見届けられないことに寂しさを感じていたからだ。このチームが作られるプロセスに僕もかかわってきた自負がある。良い時も悪い時も、プレーオフで惨敗した時でさえ、みんなで一緒に努力してきた。それを置いて他の場所に行く違和感は大きかった。最後まで見届けたかった」
ホーネッツが彼の解雇を決めると、ウルブズのティム・コネリーGMからすぐさま連絡があった。彼は何の迷いもなく復帰を受け入れた。
この間、アンソニー・エドワーズやルディ・ゴベア、ドンテ・ディビンチェンゾなどチームメートの多くが、コネリーGMにコンリーの復帰を願い出たという。「毎日一緒なら、わざわざ口に出さないけど、いざ誰かが去るとなれば本音が出る。トレードが決まった瞬間から、数えきれないほどのメールや電話をもらった。仲間たちがメディアを通して語った言葉に救われた。このチームの絆は深く、家族同然なんだ。それがここに戻る最大の理由だった」
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— Mike Conley (@mconley11) February 17, 2026
かくしてコンリーはウルブズに舞い戻った。チームの雰囲気は変わらないが、彼の契約は今シーズン終了までのベテラン最低保証額となり、ガードとしての序列は大きく後退した。先発ポイントガードはドンテ・ディビンチェンゾ、ボーンズ・ハイランドとアヨ・ドスンムに続く4番手が彼の立ち位置となる。
復帰後のコンリーは出場時間のない試合も多く、出ても数分の繋ぎ役。フロントが描く中長期的なチーム作りの方針があるとはいえ、ヘッドコーチのクリス・フィンチにとっては苦しすぎる決断だ。「彼を一度放出したことでプレータイムを伸ばした選手たちが結果を出しているのはチームにとって理想的な展開だ。しかし、彼のような選手をベンチに置き続けるのは『人道に対する罪』だと感じる。毎日が辛い」
それでもコンリーは真のプロフェッショナルとして、自分に課せられた役割を理解している。プレータイムがなくても腐らず、逆にハイランドやドスンムに熱心にアドバイスを送っている。
「フィンチは良い人で、僕のことを気に入ってくれているから」とコンリーは笑う。「試合に出られないのは確かに難しい変化だ。でも、ショックを受けているわけじゃない。いずれその時が来るのは分かっていたし、それまで18年かかったのは幸運だ。僕は負けるのが嫌だし、チームが苦戦している時には何とか力になりたいと思う気持ちは今も強い。ベンチにいると自分にコントロールできる部分が少なくて『こうすればいいのに!』と思うことばかりだ。でも、仲間を信頼しているし、みんな良い仕事をしている」
「出るか出ないか分からないのはルーキー時代を思い出す。プレータイムが何分だろうとルーティーンは変えない。いつ名前を呼ばれても大丈夫なように、常に準備を整えておく。18歳の頃に味わっていた感覚を、38歳でまた感じているのは面白いし、僕の長いキャリアにおいて貴重な経験をさせてもらっていると思うよ」
現地3月25日のロケッツ戦で、コンリーは復帰後初めてスタメンで起用された。オーバータイムにもつれる死闘で、コンリーは29分のプレーで勝利に貢献し、文字通り「常に準備を整えておく」を実践した。
出戻る前と後で、もう一つの違いはヘッドバンドを着用していることだ。「せっかくの再スタートだから、ちょっとしたイメチェンだよ」とコンリーは晴れやかな笑顔を見せた。