41歳となった現在もなお日本人ビッグマン屈指のパフォーマンスを発揮し、宇都宮ブレックスの欠かせぬピースとして戦う竹内公輔。特に外国籍選手のロスター入りが2人、アジア枠と帰化選手はそれぞれ1人までとなるとなるEASLにおいては、何度もチームを救う活躍を見せている。満足なチーム練習を行うことすら難しい日程の中、若い頃とは異なるコンディションを整え、屈強な外国籍ビッグマンとファイトすることは決して簡単なことではないが、残り少ないと自覚している自身のキャリア、そして熱く背中を押すBREX NATIONのためにもEASL FINALS MACAU 2026のチャンピオンに輝きたいと考えている。

「ホーム&アウェーの良さが出たグループラウンドだった」

──まずはEASLグループリーグの振り返りをお願いします。

ホームでは快勝できましたし、逆にアウェーではかなり手こずりました。おそらくどのチームにも同じような傾向が出ていると思いますが、ホーム&アウェーの良さが出たグループラウンドになったのではないかと思います(2023年に出場したEASL Champions Weekは宇都宮での集中開催だった)。また、画面越しから応援してくださる皆さんももちろんですが、ファンの皆さんがアウェーまで応援に来てくださったこともうれしかったです。アウェーでは負けが混んでしまいましたが「ブレックスを見たい」という思いで国際線に乗って駆けつけてくださった方々のためにも、しっかり戦う気持ちを見せないといけないな、という思いでプレーしていました。

──竹内選手個人の活躍に目を向けると、いずれも15分から20分前後プレーし、平均5.13得点、5.0リバウンドと替えのきかない活躍でした。どのようなマインドセットで大会に入りましたか?

レギュレーションの関係で、Bリーグよりプレータイムが長くなるだろうなとは想定していました。外国籍ビッグマンを40分間出場させていたチームもある中で、ウチは控えとして重要な役割を与えて自分をコートに置いてくれたので、しっかり責任を持ってやろうという思いでした。

──初戦の台北富邦ブレーブス戦はオーバータイムにもつれ込んでの2点差負け。一発目からしびれる試合でした。

相手のスカウティングデータが揃っていない状態での対戦でしたし、1試合に40点も取ってくるような選手がいることも知らなかった(笑)。さらに相手のホームということもあってリズムを作りづらかった部分もありましたし、試合の中でアジャストする能力の重要性をあらためて実感しましたね。

──土日にBリーグレギュラーシーズン、水曜にEASLを戦う今シーズン、率直にいかがですか?

いやあ、キツいですね。EASLに出るとこんなにコンディション調整が難しいんだなと痛感しました。なにせチーム練習の時間がほぼ取れないんです。水曜に試合をしたら木曜は休んで、金曜日に土日の対戦のスカウティング。土日に試合をしたら月曜は休んで、火曜に水曜ゲームのスカウティングをして……という感じで、11月末と3月のバイウィークでようやくまとまったチーム練習ができました。

特に12月の韓国遠征はキツかったですね。すごい寒かったし、空港から2時間くらい渋滞にはまって、一度ホテルに行ってから練習会場に行く予定を変更してそのまま会場に行くことになったりして。少し体調を崩していたこともあって、グループリーグでこの試合が一番しんどかったです(笑)。

竹内公輔

「もう根性でやるしかない(笑)」

──20代の頃のようには身体のリカバリーも利かない上に、BリーグとEASLとでプレータイムに波があります。コンディションを維持することも大変だったのではないでしょうか。

そうですね。プレータイムが少ない時はコンディションをいかに落とさないようにするか、逆に多い時は疲れをいかに溜めないようにするか、と両面に気を遣っています。僕はルーティンを大切にしたいタイプなので、今は練習後にサウナに行って、家に帰ったらじっくりセルフケアという習慣が定着していますね。飲み物は水、無糖の炭酸水、ブラックコーヒー、お茶しか飲みません。

──今日の練習でも、終盤にもかかわらず竹内選手が誰よりも早くコーナーにダッシュしている姿が印象的でした。

そもそもフィジカルやジャンプ力では外国籍には勝てないですし、年齢もあってフィジカル的な能力は落ちてきていますから、もう根性でやるしかないですよね(笑)。頭を使って賢くやりつつも、根性でやらなきゃいけないこともある。自分が走れば相手もカバーに走るし、それだけ体力も削れるので、無駄なランではないですからね。

──試合では自分の強みをどのように出そうと考えてプレーしていますか?

短い時間でもしっかり自分の仕事をするということと、ゲームのリズムを継続させることです。ウチはスタートの選手たちのレベルがすごく高いので、彼らが作ってくれたリズムを崩さないようプレーすることは特に大事だと考えています。

──レギュラーシーズンよりもEASLのほうがプレータイムが増えます。モチベーションは上がりますか?

そういうところもあるかもしれませんね。それに、日本代表を引退して以来国際大会に出場する機会があまりなかったので、久しぶりの感覚が楽しくもあるんです。ボールが変わったり、笛が変わったり、さっき話したように移動が大変だったりもしますが、一方で普段とは異なる環境でプレーすることに対する経験値や、結束力の高まりなどを感じることもできました。

竹内公輔

「自分らしいプレーをして、チームの助けになれれば」

──Bリーグはこの10年で目覚ましい成長を遂げていますが、特にビッグマンの置かれた環境は開幕時とは比べ物にならないほど変化しています。その中で41歳という年齢で第一線として活躍している竹内選手は率直に「すごい」の一言なのですが、どのような思いを持ってプレーしていますか?

20代の頃と違ってすぐそこにゴール……引退をゴールと言うならばそれが見えていると思うので、精一杯やりたい、楽しく終わりたいという気持ちはもちろんあります。ここ数年は正直、あまりプレーを楽しめていないところがあるんです。というのも勝たなければいけないチームの一員なので。勝つことがファンの皆さんに満足してもらえる最大の要素と言うか、勝つことでしかその思いに報いることができないという思いだったので、昨シーズンのチャンピオンシップ中はよく眠れなかったし、ファイナルなんて2時間おきくらいにぱっと目覚めていました。優勝したときは「やっと終わった!」と本当にホッとしました。

──Bリーグは来シーズンからレギュレーションが大きく変わり、特に日本人ビッグマンはオンザコートフリーによって今以上に難しい状況に立たされる可能性もあります。この先、日本人ビッグマンはBリーグで自身の居場所をどのように確立していけば良いと思いますか?

スタメンで出るのは今まで以上に難しくなりそうですが、プレータイムがものすごく減るかといったらそうは言い切れないんじゃないかと思います。外国籍のロスター入りが2人から3人に増えたらビッグマン2人、アウトサイド1人という選手編成をするクラブも出てくると思うし、彼らの控えとしてなら逆に今シーズンよりもプレータイムが増える可能性も出てくるんじゃないかなと。

──「EASL FINALS MACAU 2026」の展望を聞かせてください。

初戦のニュータイペイ・キングスに勝つことができたら準決勝は琉球ゴールデンキングス。そこに勝てたら決勝はアルバルク東京とやるんじゃないかというのが僕の予想です(笑)。マカオまで行って日本のチームと戦うのも変な感じがしますが、どこが相手だろうと気を引き締めてしっかり戦いたいと思います。

──あらためてタイトル獲得に向けた意気込みをお願いします。

いつも通りのプレーをして勝ちたいです。シーズン前にチームで「天皇杯、EASL、Bリーグを全部優勝する」という目標を立てていましたが、天皇杯は穫れなかったので、EASLはしっかり優勝したいですね。

──竹内選手はどのような役割を果たしたいですか?

レギュラーシーズン以上に責任ある立場になると思うので、しっかり正しいプレーをしてチームに貢献したいなと思います。「チームで一番点を取ろう」みたいなことはこれっぽっちも思っていません。自分らしいプレーをして、チームの助けになれればと思ってます。