
ブルズにトランジションを出す隙を与えず連敗を止める
ラッセル・ウェストブルックは論争を吹っ掛けるだけではなく、行動で証明する男だ。ペリカンズ戦に敗れた後の会見で、チームに批判的な番記者たちに「デタラメな話を垂れ流すな」と強烈なメッセージをお見舞いした彼は、3日後のブルズ戦で今シーズン5度目のトリプル・ダブルを記録。23得点11リバウンド12アシストの活躍に引っ張られたチームメートも奮起し、126-110で勝利して連敗を止めた。
チーム全体で33アシストを記録しながらターンオーバーはわずか3。シュートタッチが特に好調だったわけではないが、スモールラインナップを敷くブルズに対してインサイドで得点を重ね、第2クォーターに突き放すと後半も集中力を保って完勝を収めた。
キングスがホームで勝利するのは約2カ月ぶり。ベンチからの出場でゲームハイの30得点を挙げたマリーク・モンクは「ホームで勝つのはいつだって最高だよ。正直、僕たちの成績は良くないけど、それでも会場に来てエネルギーを送ってくれるファンには感謝しかないよ」と語った。
ルーキーのマクシム・レノーはキャリアで2番目に多い26得点を記録。スモールラインナップのブルズを相手にインサイドの高さ勝負に持ち込めば有利だが、ここでアドバンテージを取れずにターンオーバーから走られれば、試合はまた違った展開になっていただろう。チームが作りチャンスをレノーが確実に決めることで、ブルズにトランジションの機会を与えなかった。
「ボールをシェアしてチームで33アシスト、ディフェンスも激しくやれた。みんなで連携してプレーしているという実感がコート上でもあった」とレノーは言うが、自分自身のスタッツについては「個人成績は勝利のための手段でしかないよ」と素っ気なかった。
「どれだけのスタッツを記録しても、負けてしまえば虚しいものさ。逆に自分がプレーしていなくても、チームにポジティブなエネルギーを与えたい。今日は欠場している選手がそうしてくれた。どんな形であれ、チームが勝てば最高の気分だよ」
Mad MAX 🤌 pic.twitter.com/WAdFc5dVQJ
— Sacramento Kings (@SacramentoKings) March 9, 2026
そうは言っても、負け続ければテンションは落ちる。リーグ最速で50敗を喫する最下位で、モチベーションを見失うこともあるだろう。そんなチームに先日のウェストブルックのパフォーマンスが特効薬となった。ブルズのチーム状態も決して良くないとはいえ、チームで最も得点力のあるデマー・デローザンを体調不良で欠きながらも、キングスは並々ならぬ闘志を見せた。
「ラス(ウェストブルック)には感謝しているんだ」とレノーは言うに留め、先日のメディアとの対立に踏み込もうとはしなかったが、ウェストブルックがチームにいることの意味については喜んで話した。
「彼はバスケ界のレジェンドだ。彼が話す一言一言が、僕たちにとっては『黄金の知恵』のようなものだから、聞き逃さないようにしている。普段の彼はいつも陽気でやる気に満ちていて、ロッカールームに明るいエネルギーをもたらしている。それと同時にプロ意識がとても高く、チーム全体の模範となっている。208回のトリプル・ダブルは才能だけで成し遂げられることじゃない。驚くべき努力家であり、人間性も素晴らしいから成し遂げられたんだ」
2巡目42位指名ルーキーのレノーは、シーズン序盤は出場機会が安定しなかったが、実績のある選手が次々と戦線離脱していく中でレギュラーの座を勝ち取った。オールラウンダーと呼ぶにはまだ物足りないが、高さを生かすだけでなく制限エリアの外からも確率良くシュートを決めることができ、ウェストブルックとのピック&ロールは強力な武器となっている。
「ゴール近辺でのシュートタッチは僕の武器だけど、それもラスがパスを出してくれたり、チーム全体でのパス回しでチャンスをもらえるから、得点するのは簡単になる。シーズンも60試合を超えて、積み重ねが自信に繋がっているよ」とレノーは言う。
いずれキングスが今の低迷から抜け出す時、レノーはチームの大黒柱として大きな存在感を放つはずだ。