前日の大逆転劇から一転して悔しい大敗

京都ハンナリーズはB1第24節で、群馬クレインサンダーズとアウェーで対戦した。第1戦は最大20点のビハインドを逆転して67-65で勝利を収めたが、第2戦は攻守に噛み合わない時間帯が続き、68-92で敗戦となった。

第2戦で日本人選手最長となる24分12秒出場し、こちらも日本人選手最多となる11得点を記録した前田悟は次のように試合を振り返った。「チームとして群馬さんにやらせてはいけないと話していたことを全部やられてしまったなと。相手はCS(チャンピオンシップ)争いをしているチームなので、絶対に京都に負けられないという覚悟や気持ちに対して、自分たちのほうが引いてしまったと感じました」

第1戦は、後半を21失点に抑えてロースコアに持ち込み逆転を遂げたが、第2戦はすべてのクォーターで失点が20点を超えた。ディフェンスを遂行しきれなかったのが前日との違いだったと前田は言う。

「群馬さんは3ポイントを多く打ってくるので、そこを止めることとオフェンスリバンドを取らせないように意識していましたが、トレイ・ジョーンズに好き放題やられてしまったので、 そこから崩されて後手に回ってしまいました」

前日の第1戦はボールマンプレッシャーから、上手く全員で連動して群馬のドライブコースやパスコースを消してシャットアウトした。しかし、この試合では群馬のエースであるジョーンズのアタックやシュートを守りきれず26得点を献上した上で、全員得点も許してしまった。

「アンダー(スクリーンを仕掛けてきたビッグマンの下を通って守る方法)で対応する選手もいたので、アンダーマインドになってしまいプレッシャーがなくなった結果、アタックされたり、ジャンパーを決められたりして、自分たちがやりたいディフェンスではなくなってしまいました」

この改善点はシーズン通じての課題だと前田は続ける。「自分たちがスコアできないときにディフェンスも崩れてしまい、ズルズル点差が離れることがあります。このあと終盤戦ですが我慢強さや遂行力は上げていかなきゃいけないなと感じています」

「チームを助けられるようなプレーができれば」

前田は今シーズンここまでチームの日本人選手最長の平均24分41秒出場している。得点も平均9.3得点と京都に所属した3シーズンの中で最も多い。昨シーズンまでエースを務めていた岡田侑大が退団したこともあり、自身の得点力の強化をより図っている。

「今シーズンは3ポイントの確率が高くないですが、自分の一番の武器として持ち続けています。それに加えて2ポイントのバリエーションを増やしたくて、ピック&ロールやオフボールアクションの後のアタックとパスの練習をオフの間にしていたので、少しずつドライブに行ける場面も増えました」

その言葉の通り、これまではシューターとしてのイメージが強かったが、ハンドリングからアタックを仕掛ける場面も多く見られるようになってきた。「ディフェンスとの駆け引きも楽しくなってきたし、良くなっているなと感じます」と語るように、成果は徐々に現れているが、「ペイントエリアに入った時の判断やディフェンスに寄られたときのパスなど、まだ課題はある段階です」と続ける。

そういった課題と対峙し、現状のチーム内の役割の理解が進んでいく中で、自身が目指すプレースタイルのお手本となる選手が現れた。「富永啓生選手(レバンガ北海道)は、3ポイントを止めに来られる中でもカウンターで入って行ったり、コンタクトされてもフィニッシュのフローターで決められます。そういうプレーを僕もイメージしているので、富永選手がBリーグに来て勉強になるなと」

さらにチームメートの存在も前田にとってポジティブに働いていると続ける。「自分からコンタクトしてスペースを作ってジャンプシュートを打つのは、古さん(古川孝敏)が上手いので聞いたりしています。3ポイントが入らない試合でも、ベンチにいるんじゃなくてチームを助けられるようなプレーができればと取り組んでいます」

「強豪にも勝てるんだぞというのを見せたい」

前田は現在29歳。Bリーグでのキャリアも長くなってきた。京都の伊佐勉ヘッドコーチが「間違いなく、キャプテンとしても選手としても今年すごく成長しています。彼を日本人エースと僕は位置付けていますし、もっと良い選手になると思っています」と太鼓判を押すように、大きな成長を見せている。

「どちらかというと今までは、自分のパフォーマンスが第一でした」と前田は前置きした上で、キャプテンに就任したことでメンタル面の成長を自身でも感じていると続ける。

「今シーズンはチームのことをより考えるようになったし、上手くいかない時にどういう声掛けをしなくてはいけないのか、とか考えるようになりました。練習やベンチでの立ち振る舞いも意識するようになりました」。その成長が自身のパフォーマンス向上に繋がっているのは間違いないだろう。

京都のシーズン成績は、12勝29敗で西地区12位。ヘッドコーチを新しく招聘し、新体制で臨んだシーズンだが、思った以上に苦しい道のりとなっている。しかし、前田は終盤戦に向けて再起を誓う。

「チャンピオンシップもなかなか厳しいですが、このあと上位のチームとの対戦もたくさんあるので、チャンピオンシップ争いをかき回して、強豪にも勝てるんだぞというのを見せたいです。来シーズンに向けて、京都の形を見せていき、最後まであきらめずに今シーズンできる最上級のチームを作れるように頑張ります」