ジョーダン・オット

キャバリアーズのアシスタントコーチを務めた40歳

『ESPN』のシャムス・チャラニアは、サンズが新たなヘッドコーチとしてジョーダン・オットと合意に達したと報じた。今シーズンを36勝46敗、プレーオフ進出を逃してシーズンを終えると、すぐにマイク・ブーデンフォルツァーを解任。ジェームズ・ジョーンズがGMから退任し、新たなGMとなったブライアン・グレゴリーの下、時間を掛けてヘッドコーチ探しが進められてきた。

面談を行ったコーチは15人で、先週には6人に絞り込まれ、最後は同じキャブズのアソシエイトヘッドコーチ、ジョニー・ブライアントとの選考の末に決定が下された。最後の段階では『チームの顔』であるデビン・ブッカーの意見も考慮されたという。

オットは1985年生まれの40歳。2013年にブーデンフォルツァー率いるホークスのビデオコーディネーターとしてNBAでのキャリアをスタートさせ、その後はネッツ、レイカーズ、キャバリアーズでアシスタントコーチを務めた。ただし、今回のサンズで重要となるのはNBA以前、2008年から2013年まで、ミシガン州立大で30年間指揮を執る名将トム・イゾーのビデオコーディネーターを務めていたことだ。

サンズのオーナーであるマット・イシビア、グレゴリーGMはともにミシガン州立大バスケ部の出身。彼らにとって『ミシガン州立大OB』という経歴には大きな価値がある。それでも、NBAでの実績がないグレゴリーのGM就任は大きな反発を呼んだが、オットはNBAでヘッドコーチ職に就くのに十分な下積みを経験している。過去に何チームかがオットの採用を検討しており、1年前にはホーネッツでヘッドコーチの最終候補になっている。

イシビアがオーナーになってからの3シーズン、フランク・ボーゲルとブーデンフォルツァーはオーナーの現場介入に悩まされた。優勝経験のある彼らでも『素人』の口出しを受け入れざるを得なかったのだから、オットも同じ運命をたどるだろう。その一方で今のサンズは優勝候補ではない。今オフにはケビン・デュラントが移籍するだろうし、事実上の再建チームとしてのスタートを切ることになる。ここで素人のイシビア、NBAでの経験のないジョーンズGMとともに意思決定を下していく、非常に重要な役割をオットは担う。