ペイサーズ

プレーオフで際立つ勝負強さ、敵地での初戦を制す

NBAファイナルがサンダーのホーム、オクラホマシティで幕を開けました。プレーオフを12勝4敗で勝ち上がってきた両チームだけに白熱した展開が予想され、期待に違わぬ激しいプレーの応酬となり、最後には劇的な結末が待っていました。

サンダーはここまでの戦いとは異なり、スターターをツインタワーではなく、ケイソン・ウォレスを加えたワンビッグに変更してきました。ペイサーズのスピードを封じ込め、プレッシャーを強める狙いは功を奏し、ペイサーズはプレーオフ平均で12.7だったターンオーバーが前半だけで18と大いに苦戦しました。

強固なディフェンスで差をつけたサンダーでしたが、前半だけでペイサーズよりも18本も多いフィールドゴールを放ちながら、2ポイントシュートが36本中13本しか決まらず点差を広げられません。特にチェット・ホルムグレンがマイルズ・ターナーのリムプロテクトに苦しんでシュートミスが続き、ワンビッグが機能したのか微妙な結果になりました。

そして前半に突き放せなかったことが、後半のドラマに繋がってきます。後半のペイサーズのターンオーバーは6のみと見事なアジャストをしてきました。オフェンスそのものは苦労しており、なかなかオープンショットを作れませんでしたが、持ち前の勝負強さでタフショットも沈めて反撃していきます。

残り3分の時点でサンダーのリードは9点ありましたが、よりプレッシャーを強めたいサンダーがビッグマンを起用しないスーパースモール戦術を採用すると、ペイサーズはそこまで効いていたターナーを即座に下げ、機動力勝負を受けて立ちました。そしてプレーオフを通じて見せてきた勝負強さでアーロン・ネスミスとアンドリュー・ネムハードの3ポイントシュートで追い上げると、ミスショットもパスカル・シアカムがオフェンスリバウンドをねじ込んで1点差とします。

それでもリードしているサンダーはシェイ・ギルジャス・アレクサンダーがショットクロックを使い切って、残り11秒でショートレンジのジャンプシュートを放ちますが、これを決められず。タイリース・ハリバートンがボールを運び、そのまま自分でミドルシュートを打つと、これが見事に決まって大逆転勝利をもたらしました。

この試合でペイサーズがリードしたのは最後の0.3秒のみ。このプレーオフで見せ続けてきた驚異的な勝負強さをファイナルでも遺憾なく発揮し、ロードゲームでの1勝を手にしました。