チャレンジで個人5つ目のファウルを受け、直後に退場
ロースコアの展開となったティンバーウルブズvsウォリアーズの第3戦は、第4クォーターに逆転したウルブズが2勝目を挙げました。36得点のアンソニー・エドワーズ、トリプル・ダブルのジュリアス・ランドルと両エースの終盤の活躍もありましたが、勝敗を分けたのは『チャレンジ』の成否でした。
ウルブズが初めにチャレンジを使ったのは、ドンテ・ディビンチェンゾのパスにブランディン・ポジェムスキーが触り、サイドラインを割ったシーンでした。レフリーはエドワーズの足がラストタッチと判定しましたが、エドワーズはボールを避けており、チャレンジ成功でウルブズボールでのスローインに変更されました。
しかし、このチャレンジは微妙なものがありました。マイボールになったとはいえ、ショットクロックは7秒しか残っておらず、この後のオフェンスがタフショットになるリスクが高かったからです。
再開のスローインから当然のようにエドワーズにパスが出るものと思われましたが、そのエドワーズはジェイデン・マクダニエルズへスクリーンへ行き、続けてナズ・リードへもスクリーンへ動きました。2人のカットプレーが混ざったことでエドワーズへの警戒が甘くなり、スクリーンから身体を回転させてパスを受けに行ったエドワーズはドライブからリバースレイアップで得点へと繋げました。
映像を確認している間に指示されたデザインプレーが見事に決まりましたが、チャレンジが成功しているため、実質的にはタイムアウトを使わず得点したことになります。
一方のウォリアーズはランドルのドライブを守ったドレイモンド・グリーンへのファウルコールにチャレンジを使いました。このコールでグリーンは4つ目のファウルになり、コースに入るのが遅れていたものの、ランドルが腕で押しているようにも見えており、少しでも覆る可能性があるならば、というチャレンジの使い方でした。主力のファウルトラブルを避ける使い方は間違いではありませんが、ここでは失敗に終わります。
ウルブズの2つ目のチャレンジは第4クォーター残り5分で、ジョナサン・クミンガのドライブにランドルがファウルしたシーンでした。ランドルのファウルは明らかでしたが、その直前にグリーンが自分のユニフォームを引っ張っていた、というランドルのアピールにベンチが応じる形で、チャレンジを使いました。
このチャレンジが成功し、グリーンは5つ目のファウルを取られます。その直後のウルブズのオフェンスで、グリーンはマクダニエルズのダンクをブロックに行ってファウルを犯します。グリーンはファウルではないとアピールしますが、すでにチャレンジの権利は残っておらず、個人6つ目でファウルアウトになりました。
そもそもマクダニエルズはドライブで抜いてからダンクに跳んでおり、接戦が続く中で退場のリスクを冒して止めにいくシーンではなかったはずですが、直前のウルブズのチャレンジ成功により冷静さを欠いたようにも見えました。
グリーンの退場からのラスト5分間でウルブズは18得点を奪っての勝利となりました。ロースコアの我慢比べのような試合展開でしたが、ウルブズはチャレンジ成功からのグリーン退場で一気に試合の流れを引き寄せ、最後はオフェンス力で押し切りました。