キャリア9年目、足首のケガが長引き18試合出場のみ
ブランドン・イングラムはキャリア9年目の今シーズン、18試合のみの出場に終わった。最後にプレーしたのは昨年12月上旬で、左足首のケガを抱えたまま2月にペリカンズからラプターズへとトレードされ、ラプターズでは結局1試合もプレーしなかった。
それでもラプターズに来てすぐ、3年1億2000万ドル(約180億円)の契約延長に合意。ペリカンズではザイオン・ウイリアムソンほどではなくてもケガが多いことがマイナス要素だったが、ラプターズは彼の能力を高く評価した。
イングラムはまだ27歳で、ケガさえ完治すれば質の高いプレーを見せられる。「プレーできない期間が長くてイライラしたのは間違いない。僕は良いプレーができている時のリズムに乗っている感覚が大好きなのに、長く遠ざかっている」
それでも彼は、シーズン最後の会見で「毎日ウェイトルームで身体を鍛え、足首の感じも良くなっている」と話し、「今シーズンは変化の年だった。移籍は新たなスタートだし、順応の過程で自分の新たな一面を発揮できたと思う」と続けた。
「試合でプレーできれば一番良いけど、ベンチからでも新たなチームを学ぶことはできる。みんなのサポートのおかげで、チームにかなり馴染めたと思う」とイングラムは主張する。
「コートサイドから試合を見ている時にはいつも、自分がプレーしているつもりで、オフェンスでもディフェンスでも何ができたかを考えている。僕の役割は周囲がプレーしやすくなるように、素早く正しい判断をして安定したプレーをすることだ。このチームだと僕は自分で点を取りに行くより、パス優先でボールを動かし、多くの選手がプレーに関与するようなプレーメークをすべきだと思っている」
再建中のラプターズは若手中心のチームになっている。イングラムは過去の自分を思い出し、こんな比較を語った。「僕がルーキーの時や2年目はレイカーズも若手中心のチームだった。全員で競い合い、助け合う雰囲気は共通していると思う。普通、若い選手は練習に集中できない日があったり、ルーティーンがまだ確立できていなかったりするものだけど、このチームの若手は自分の成長にしっかりフォーカスしている。これはダーコ(ラジャコビッチ)の指導力によるものだと思う」
記者から「オールスターレベルの選手に戻るのに何が必要だろう?」と問われると、イングラムは迷うことなく「健康。それだけあればいい」と答えた。来シーズンこそ健康体へと戻り、今シーズンはお披露目できなかったスコッティ・バーンズとRJ・バレットの『ビッグ3』を機能させられるのか。先に高額契約を与えられたからこそ、彼は来シーズン、コート上での結果で応える責任がある。