ブライス・センサボー

「少しずつ、着実に成長することだけを考えている」

現地1月5日、ジャズはマジックに105-92で勝利した。前日のヒート戦に続いての勝利で、これで連勝は今シーズン2度目。通算成績を9勝25敗としている。

ヒートはトレードを要求したジミー・バトラーの出場停止が始まった最初の試合で集中力を欠き、選手起用も定まっていないとあって136-100と予想外の大勝となった。マジックはパオロ・バンケロにバグナー兄弟、ジェイレン・サッグスと主力をごっそり欠いていたが、ジャズも2日連続の試合とあってエースのラウリ・マルカネンを始め主力の多くが欠場した。

そんなチーム状態の中、2日連続で大活躍したのがブライス・センサボーだ。2023年の1巡目28位指名を受けたフォワードは、1年目の昨シーズンはケガで出遅れてGリーグを主戦場とし、2月のトレードデッドラインで主力が抜けた後で出場機会を与えられるようになったが、負け続けるチームの中で彼がポジティブなインパクトを残したとは言い難い。それでも今シーズン開幕前に取り組んだ身体改造でパワーを増し、3ポイントシュートだけでなくドライブでリムを攻めることもできるようになり、苦手だったディフェンスでも改善を見せて飛躍の時を待っていた。

それがこの2日間でやって来た。彼の役割はセカンドユニットの得点源で、ヒート戦では第2クォーターに12得点5リバウンドを記録し、40-19のビッグクォーターを牽引。早々に決着を付けてヒートが主力を下げた第4クォーターには20得点をたたき出した。試合を通してはベンチから26分の出場で3ポイントシュート7本成功を含むキャリアハイの34得点を記録。そしてマジック戦ではベンチから、それでも主力の多くを欠くため普段より早い時間帯からコートに送り出され、3ポイントシュート5本成功を含む27得点を挙げ、再びヒーローとなった。

「僕は少しずつ、着実に成長することだけを考えている」とセンサボーは話す。「だんだんリズムがつかめてきている感触はある。正しいプレーを意識して、自分にチャンスが来た時には確実にシュートを決めたい」

センサボーは少し前まで、プレースピードを上げることばかりを考えてプレーが雑になっていたと語っている。それは実戦経験に乏しく、十分な自信を持てなかったところからくるものだろう。最近になって試合の至る場面でリラックスして周囲を見回し、正しいプレー選択をすることを心掛けるようになって、パフォーマンスが向上したという。

もともと彼のオフェンス力、特に波に乗った時の3ポイントシュートは大きな武器だったが、シュートタッチが良くない時にどんな形でチームに貢献できるかが課題だった。

指揮官ウィル・ハーディは言う。「若手にはいつも『優れた選手はパフォーマンスが安定している。だから優れているんだ』と言っている。この2日間のブライスはまさに安定したプレーを見せてくれた。彼に毎試合25得点を求めるつもりはないが、2日連続で結果を出せたことは彼にとって大きな自信になる。彼が地元で良いプレーができたのは喜ばしいよ」

センサボーはマイアミで生まれ育った。マジック戦も同じフロリダ州での試合とあって、地元でプレーすることが彼にいつも以上の力を与えたのかもしれない。