「うまくいった部分、そうでない部分が明確に出ました。これはリーグでも生かせます」
3月5日、琉球ゴールデンキングスは『EASL(東アジアスーパーリーグ) Champions Week』の3位決定戦でベイエリア・ドラゴンズ(EASL)と対戦。サイズ、フィジカルで上回ったベイエリアのタフな守備を崩せず70-90で敗れている。
試合の出だしは、お互いに激しいディフェンスが機能し、ロースコアが続いた。だが、ベイエリアは元NBA選手でカナダ代表の経験が豊富なアンドリュー・ニコルソン、ガードのマイルズ・パウエルらの個人技で徐々に得点を重ねていく。一方の琉球は、外角でオープンシュートの機会を作り出すが、それを決め切れないことでリズムを崩していく。また、外国籍選手のベンチ登録が2名の中、本日はジャック・クーリーを登録外としたことで、オフェンスリバウンドからのセカンドチャンスが生まれずオフェンスが停滞してしまう。
その結果、第1クォーター終了時には琉球の2点ビハインドだったのが、16点差へと突き放されて前半を終える。第3クォーターになってもベイエリアは引き続きパウエル、ニコルソンが好調をキープする中、琉球は拙攻が続いてしまう。桶谷大ヘッドコーチが「オフェンスの終わり方が悪く、ターンオーバーやリバウンドからのファストブレイクポイントで離れてしまいました」と反省したように、ファストブレイクポイントで0-20、ターンオーバーからの得点で2-13と、最後までオフェンスの悪い流れを変えられず大敗を喫した。
メインハンドラーとして琉球のオフェンスを牽引する今村佳太は、次のように試合を振り返る。「相手の個の力を抑えられなかったのは実力不足です。ただ、これからステップアップするための良い経験になりました」
『良い経験だった』と今村が強調したのは「うまくいった部分、そうでない部分が明確に出ました。これはBリーグでも生かせます」という思いがあるからだ。今村は続ける。
「ディフェンスでは、ピック&ロールでズレを作らせなくても個の力で打開されてしまう時、どこまでチームディフェンスで補えるのか。オフェンスだと、逆にピック&ロールでズレを作るのがファーストオプションの中、相手にスイッチされてボールムーブが停滞し、打ちたくないシュートを打たされました。これはBリーグでもあり得る状況なので、チームとして認識しながら改善していきたいと思います」
期待のビッグマンコンビ、渡邉とタマヨ「チームとして幅が出る選手が来てくれました」
このように課題が見えた一方、もちろん収穫もあった。その際たるものは渡邉飛勇、カール・タマヨの若きビッグマン2人が実戦経験を積めたことだ。先日のワールドカップ予選Window6で躍動した渡邉は、代表ブレーク前の2月上旬に琉球の一員としてBリーグデビューを果たしたものの、かなり限定的な起用法だった。今大会がチームデビューとなったタマヨとともに、2人がローテーションに入ってプレーできたことは、チームにフィットさせる上で大きなプラスとなった。
ともに200cmを超えるサイズと機動力を備え、3ポイントシュートを得意とするタマヨ、抜群の身体能力でリバウンド、ブロックで頼りになる渡邉と琉球の新たな矛と盾になりえる2人への期待を今村はこう語る。
「チームとして幅が出る選手が来てくれました。ハンドラーをやらせてもらっている僕としては、2人をもっと気持ち良くプレーさせたい。2人の良さをもっと引き出すことができると思います」
栃木への遠征も含め4日間で3試合のタフなスケジュールを終えた琉球は、中2日でBリーグが再開し、西地区で激しい上位争いを繰り広げる広島ドラゴンフライズ戦、さらに1週間後には、Bリーグ誕生後初のタイトル獲得がかかる千葉ジェッツとの天皇杯ファイナルと大一番が続く。
「普段と外国籍選手のレギュレーションも違う中で、自分たちの力を出し切れなかったです。難しい大会ではありましたけど、次に繋げないといけない負けにしなければいけないと思います」
こう今村は総括した。早速その真価を問われるビッグマッチが1週間後に行われる。
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