林咲希

「3ポイントシュートは入る前提」

バスケットボール女子日本代表は3ポイントシュートを多投し、スピードで高さの不利を埋めるスタイルを極限まで高め、東京オリンピックで銀メダルを獲得する快挙を成し遂げた。

林咲希は48.6%という高確率で3ポイントシュートを決め続け、平均11.3得点を記録し、チームで一番のシューターであることを証明した。その後、恩塚亨体制となった日本のキャプテンを任され、若手主体で挑んだアジアカップで5連覇を達成と、チームの中心選手として存在感を高め続けている。

現在合宿中の代表はオリンピック組とアジアカップ組の融合が一つのテーマとなっている。選手たちは良い雰囲気でやれていると口を揃えるが、林も「短い時間ですが、若い子たちも恩塚さんのバスケットをやっていたので、お姉さん方に引けを取らずにアグレッシブにみんながやれているのかなと思います。お姉さん方よりも知識があるので、その分自信を持って下の子たちはやれているんじゃないかと思います」と、その工程が順調に進んでいると話した。

また林は「お姉さん方が来てくれて、質の高いバスケットができている」とも話したが、その『質』とはベテラン勢が持つ引き出しの多さや理解力による恩恵のことを指している「アジアカップの時よりも新しいプレーができるようになっています。もともとセットプレーが少ないですけど、お姉さん方は理解力が高いので、『こういうのあったんだ』という下の子たちが気づかないようなプレーをやってくれます。アジアカップの時よりもでき上がったなって感じています」

オリンピックの準々決勝、ベルギー戦で見せた林のクラッチ3ポイントシュートは記憶に新しい。シューターとして確固たる地位を築いた林は「3ポイントシュートは入る前提」と話し、さらなるスキルアップに努めているという。それは決勝のアメリカ戦で徹底マークを受け、思うようなパフォーマンスができなかったことへの悔しさが残っているからだ。

「3ポイントシュートだけじゃなく、今はドライブだったりジャンプシュートやレイアップを自主練でやっているので、それを出していきたいです。オリンピックの時に3ポイントシュートだけしかなく、アメリカ戦で止められたのがすごく悔しいので、これから新たな自分を世界に見せつけたいという思いでやっています」

林咲希

「代表の素晴らしい選手は自分自身に課題を与えてくれる存在」

東京オリンピックとアジアカップを戦い、リーグ戦にワールドカップ予選と忙しい日々が続いている。タフなスケジュールではあるが、飽くなき探求心を持つ林はこうした機会をプラスにとらえ、充実感を持って練習に励んでいる。

「今の自分を変えたいというか。ENEOS(サンフラワーズ)だけでやっていると分からないことも学べますし、代表の素晴らしい選手は自分自身に課題を与えてくれる存在なので。レベルアップするために活用してるという言い方は違いますが、代表に入っているときは世界で戦うのもあるんですけど、もっとうまくなりたいっていう気持ちでやっています」

自身のスキルアップに集中している林だが、キャプテンという大役もこなさなければならない。それでも、副キャプテンには頼れる髙田真希がいて、経験豊富なベテラン勢もいることで、肩の力を抜いてその役目も果たせているという。「特別なことは正直やってないです。中堅の自分がキャプテンであることで下の子たちも質問してくれます。チーム全体を見れるようになったので、アジアカップの時は一番上だったので、全体を見なきゃと思っていたんですけど、お姉さん方が来てくれたおかげで真ん中から全体を見渡せるようになったので、視野も広くなったと感じています」

シューター以上の存在感を目指し研鑽を積みつつ、キャプテンとしてチームをまとめる林。彼女の忙しい日々はもうしばらく続きそうだ。