ドライブで、そこからのキックアウトで得点を重ねる
名古屋ダイヤモンドドルフィンズが敵地に乗り込んでアルバルク東京と対戦。司令塔の齋藤拓実を軸にペイント内得点、3ポイントシュートでともに36得点と、内からも外からもバランス良く得点を重ねた名古屋DがA東京相手に86-80と点の取り合いを制した。
試合の立ち上がり、A東京は古巣対決となった安藤周人やライアン・ロシターの積極的なドライブで8-2と先行する。しかし、名古屋Dは齋藤の連続得点で嫌な流れを切ると、ショーン・ウィティングトンを筆頭としたセカンドユニットの活躍もあって21-17と逆転する。
第2クォーターに入っても名古屋Dのペースは変わらない。齋藤に加え中東泰斗、須田侑太郎とガード陣が切れ味鋭いドライブでディフェンスを切り崩して得点。もしくは、彼らのキックアウトから外角シュートを効果的に沈めていく。一方のA東京は、ノーマークでのコーナースリーとやりたいオフェンスの形は作れても、これを決めきれない。このロングリバウンドを取った名古屋Dはスコット・エサトン、コティ・クラークと機動力に優れたビッグマンの強みを生かして走る展開に持ち込み、イージーシュートで加点。名古屋Dがリードを12点に広げて前半を終える。
後半に入るとA東京は、出だしでセバスチャン・サイズがインサイドにて連続得点と、サイズのアドバンテージを生かして反撃し、開始1分で点差を1桁に戻す。だが、名古屋Dは直後にウィティングトンが3ポイントシュートを沈めるなど、やられたらやり返して流れを渡さない。オフェンスの勢いは止まらずリードを最大17点にまで広げていく。
A東京も意地を見せ、ゴール下でのセカンドチャンスで何とか食いついていくと、第4クォーター残り5分、田中大貴がドライブからこの試合初得点を挙げる。これでリズムをつかんだ田中は、ここからさらに連続でレイアップを決めA東京は残り2分17秒で5点差とする。だが、本日の主役は、A東京ではなく名古屋のエースだった。ともにシュートを連続で外す膠着状態で迎えた残り41秒、齋藤が8点差と再び突き放す3ポイントシュートを沈め、名古屋Dが粘るA東京を振り切った。
「エクストラパスを意識してボールを動かし、そこから良いシュートが打てた」
ここまでリーグ随一のハイパワーオフェンスを披露している名古屋Dは、堅守のA東京相手にも86得点と自慢の破壊力をあらためて証明した。現在、平均得点がリーグ1位の90.1得点だが、指揮官ショーン・デニスは「シーズン開幕時から1試合平均90得点を目標の一つに掲げています。スペースを作り出してペイントをアタックする。それができれば相手は私たちを止めるのが難しい」と好感触を得ている。
そして、この試合のオフェンスについて次の点が良かったと総括した。「ボールムーブメントがすごく良かった。ボールだけでなく、選手もよく動いていました。エクストラパスを意識してボールを動かし、そこから良いシュートが打てたと思います」
一方、A東京のルカ・パヴィチェヴィッチは、次の3点を反省材料に挙げている。「名古屋Dはすごくハードにオフェンスリバウンドを飛び込んでくるチームで、試合前のミーティングでも話しましたが抑えることができなかったです。私たちは確率の高いオープンなコーナースリーを多く打ちましたが、それが落ちた時に生まれる名古屋Dのファストブレイクで数多く走られた印象があります。チームでよく守っても最後の締めのところの1対1のディフェンス、リバウンドでやられてしまったのが守備面での敗因かと感じています」
西地区上位につける名古屋Dは、この試合の前まで12月以降は12勝2敗と高勝率をマーク。この勢いが本物であるか、対戦相手に恵まれた側面も否めなかったのか、水曜ゲームのA東京に続き週末に宇都宮ブレックスと、東地区の強豪と続けて対戦する今週はその試金石になると見られていたが、まずは理想的なスタートを切った。