「責任を転嫁するのは好きじゃない。僕の責任だ」

キャバリアーズは直近の2週間で2勝5敗と失速し、5日間のオフを挟んで現地12月11日のウィザーズ戦に130-126で勝利した。この試合で48得点を挙げたドノバン・ミッチェルは勝ったにもかかわらず怒っていた。

「僕らは泥沼にはまっている。15点差であきらめなかった点は評価できるけど、キャブズはこんな立場であってはならない。解決策を見いださなきゃいけない。多分答えなんてないから、少しずつ改善していくしかない」

5日間のオフには身体を休めるのはもちろん、これまでの試合映像を見て課題を洗い出し、チーム練習も行った。それでもリーグ最下位のチームを相手に後半のほとんどの時間帯でリードを許し、最後は自身のクラッチプレー連発での辛勝となった。ミッチェルはこれを『泥沼』と表現した。

しかし、その2日後にまたも下位のホーネッツに大苦戦。今度は延長の末に敗れた。エバン・モーブリーがふくらはぎのケガで戦線離脱し、ミッチェルはフィールドゴール24本中6本成功とシュートタッチが悪く17得点止まり。第3クォーターの最大17点ビハインドから追い上げ、2年目のジェイロン・タイソンの連続得点で残り13秒で3点リードという状況を作ったが勝ちきれず、延長の5分間では10本放ったシュートが1本も決まらず無得点に終わり、111-119で敗れた。

キャブズが抱える問題は数え上げたらキリがないほどある。ダリアス・ガーランドは夏に手術をしたつま先が完治しておらず、ダッシュはできるもののストップや方向転換のたびに痛みが走る。それは5日間のオフがあっても解消しなかった。モーブリーという相棒を失ったジャレット・アレンはゴール下を支配できていない。スモールラインナップはスピードこそあれ、自分たちに優位なマッチアップを見付けてそこを攻める練度の高さがまだ出せない。デアンドレ・ハンターはシックスマンだと活躍するが先発だと自信なさげだ。しかし、マックス・ストゥルースもサム・メリルもケガが長引く状況では、ハンターを起用するしかない。

キャブズが勝つ時には、ミッチェルがそれらすべての問題を覆い隠す。しかし、シーズンのこの時期にミッチェルが120%のプレーをしなければならない状況では、このチームに未来はない。

「あってはならない試合をしてしまった。僕がもっと良いプレーをしていれば勝てていただろう。他の誰かに責任を転嫁するのは好きじゃない。この負けは僕の責任だ。チームは勝つために全力で戦ったけど、オフェンスもディフェンスも十分ではなかった。だからこういう結果になった」とミッチェルは語る。

ホーネッツ戦を終えてミッチェルはそう語ったが、さすがにそれは責任を感じすぎだろう。それでも彼は「分かってはいるけど、僕が自分の力を半分でも発揮できていれば勝てたと思う。だからこれは僕の責任だ。チームメートが誰もそうは言わないとしてもね」と語った。

クリーブランドのファンは不甲斐ないチームにブーイングを送った。それはミッチェルに向けられたものではないだろうが、彼はそれを謙虚に受け止めた。「ブーイングは聞こえていたよ。僕も以前は観客席にいるファンだったから、その気持ちは理解できるし、僕でもブーイングをしただろう。僕たちは自分たちの実力を発揮していない。ファンはもっと良いバスケを見るに値する」

「起きていることの大部分は自分たちの責任だ。一部はケガによるものだけど、僕らはケガを言い訳にしない。若い選手たちは驚異的な活躍を見せている。ベテランがもっと頑張らなきゃいけない。それに、この苦境を経験するならこの時期が良いよ。誰も助けてはくれない。自分たちで立ち上がり、チームとして前進するしかない。僕らのプレーははっきり言って悪い。でも、チームとして団結し続ける限り、この先はきっと良くなると信じている」