ジミー・バトラー

課題は最終クォーターのパフォーマンス

2019-20シーズンのヒートは序盤から24勝8敗と絶好調のスタートを切ったが、それ以降12勝14敗と失速してしまった。直近の4試合はいずれもプレーオフ圏外のチームとの対戦だったが3敗を喫した。オールスター前にグリズリーズとの3対3のトレードでアンドレ・イグダーラを獲得したが、それ以来8戦6敗と結果を出せていない。

ヒートの選手たちからは責任は自分たちにあるとの発言が相次いでいる。ゴラン・ドラギッチはプラン通りのプレーができていないと主張し、「現在のようなプレーをしていたらプレーオフでは勝てない」と、危機感を募らせた。個人的な理由で2試合を欠場したジミー・バトラーは、ここ最近は思うようなパフォーマンスができていないと言い、バム・アデバヨは「試合を楽しめなくなった」とまでコメントしている。

ヒート不調の原因はいくつかあるが、1つは第4クォーターのディフェンスだと『The Athletic』は報じた。ヒートは直近の4試合で3敗しているが、3試合とも第4クォーターの途中までリードしていた。26日のティンバーウルブズ戦は残り4分22秒で12点、24日のキャバリアーズ戦は第4クォーター開始時点で19点、20日のホークス戦では残り1分51秒で5点リードしていたが、いずれも逆転されてしまった。

試合の終盤でディフェンスが崩壊してしまう理由は、何人かの選手が指摘するようにターンオーバーの多さだ。バトラーは「終盤のターンオーバーが原因だ。シュートを外したあと、相手チームに速攻を仕掛けられ、レイアップやファウルを許してしまっている。セットディフェンスができているときの僕らは強い。ただ、自陣に戻りながらのディフェンスで数的優位を作られると難しくなる」

ルーキーのタイラー・ヒーローがケガで不在なこともヒートにとっては痛手だ。ヒーローはケガで離脱する前まで第4クォーターで特に長い時間プレーしていて、クラッチタイムでチームの貴重な得点源となっていた。エースのバトラーは試合終盤でシュートの成功率が低下し、ヒーローの抜けた穴を埋められていない。

バトラーは、「僕はバスケットボール選手だから、何を改善すべきかこれから見つける。僕の仕事はチームの勝利に貢献することだけど、もう長いこと自分の仕事ができていない」と、コメントした。

ヘッドコーチのエリック・スポールストラは今がチームにとっての正念場だと捉えている。

「問題に正しくアプローチできればチームは復調する。問題をなんとか解決しなくてはならない。課題が10点以上のリードをどう守るかだったことは不幸中の幸いだ。我々は10点差を付けるところまではできているから、あとは試合を終わらせるだけだ。今は痛みに耐えなくてはいけない」