556試合連続出場、昨シーズンは3000分超えの『鉄人』
ミケル・ブリッジズとニックスが4年1億5000万ドル(約230億円)の契約延長に合意した。2025-26シーズンはサンズ時代に結んだ4年9100万ドル(約140億円)の最終年で、新契約が適用されるのは来年から。4年目の2029-30シーズンはプレーヤーオプションとなる。
ブリッジズをどう評価し、どんな条件で契約延長するかはニックスにとって難しい問題だった。ブリッジズはサンズで『超有能なロールプレーヤー』の評価を確立し、トレード先のネッツではエースの重責を任された。ニックスに加入した昨シーズン、序盤はハンドラーを任されて苦戦するも、ロールプレーヤーへと役割がシフトしたシーズン後半に復調。ジェイレン・ブランソンと並ぶエースにはなれなかったが、ニックスに欠かせない戦力として活躍した。
ブリッジズにエースの働きを期待したからこそ、ニックスは1巡目指名権5つとのトレードで彼を獲得した。それが『超有能』ではあってもロールプレーヤーなのだから、期待に応えたとは言い難い。サラリーキャップの縛りが年々厳しくなる中で、ロールプレーヤーの貢献をどこまで評価するかは非常に難しい。
結局のところ、最大であれば1億5700万ドル(約240億円)を得られるブリッジズが多少の譲歩を受け入れることで、契約延長はまとまった。ニックスはブランソンと2029年までの契約を結んでおり、その隣にブリッジズが必要だと判断した。
その評価を後押ししたのは、今回もレギュラーシーズン82試合、プレーオフ18試合にフル出場する『鉄人』ぶりだろう。556試合連続出場は今のNBAで最長の記録。昨シーズンの総出場時間はNBAで唯一、3000分を超えた。負荷管理が当たり前となった今のNBAで、彼のタフネスぶりは群を抜いている。
昨年オフにブランソンがある程度の譲歩を受け入れて契約延長を結んだことで、ニックスにはその流れができている。たった数百万ドルではあるが、それがチーム編成の選択肢を大きく増やしてくれる。セルティックスとペイサーズがエースの長期戦線離脱となる新シーズン、東カンファレンスの勢力図は大きく変わる可能性が高い。そんな今、選手とフロントが一致団結するニックスは何としてでも優勝をもぎ取ろうとしている。