千葉ジェッツ

最終クォーターまでビハインドを背負う展開に

千葉ジェッツvs横浜ビー・コルセアーズの第2戦は、最終クォーターで逆転に成功した千葉が勝負強さを発揮して70-63で勝利した。

この試合で千葉は2度も2桁ビハインドを背負う苦しい展開となった。ゲーム序盤から横浜の強度が高いディフェンスに苦戦し、ジョシュ・ダンカンとセバスチャン・サイズは横浜のロバート・カーターとレジナルド・ベクトンに押し負け、ペイントエリア内でボールをもらうことができない。アウトサイドでもズレを作ることができない千葉は、個でディフェンスを打開するかタフショットで終わるしかなく、第2クォーターの開始1分で12-23と11点のビハインドを背負った。

そのまま点差を縮めては突き放される展開を繰り返し、48-51で最終クォーターを迎える。この試合ではペイントエリアからの得点で28-36と差をつけられたように、千葉は終盤になってもインサイドでの横浜のディフェンスに苦戦した。それでも、あきらめずにペイントアタックからのキックアウトや速いパス回しでズレを作っていく。そして50-55で迎えた最終クォーターの残り8分半、田口成浩と西村文男による連続3ポイントシュートで逆転に成功した。

その後はディフェンスリバウンドからのトランジションバスケでリードを広げたが、横浜も粘りを見せ残り2分で63-63と同点に。それでもここで試合巧者の千葉が違いを見せる。横浜は終盤になると個のプレーが増え、焦って放ったシュートがリングに嫌われた。その一方で千葉は、富樫勇樹がフェイントでディフェンスを振り切ってから確実に3ポイントシュートを沈めると、残り1分ではシャノン・ショーターも3ポイントシュートを沈めて粘る横浜を突き放した。

千葉はこの試合で、ショーターがベンチから出場してゲームハイの20得点、富樫が13得点、サイズが11得点を記録。それでも先発の5人はなかなかリズムをつかむことができず、出場時の得失点差を表すプラスマイナスでは、富樫のゼロを抜くと全員がマイナスだった。一方でセカンドユニットからは田口がゲームハイの+23(得点は6)、そして西村が+7(得点は3)、そしてショーターが+16を記録。ベンチから出場して試合の流れを変えたセカンドユニットの活躍で勝利を収めた。

千葉ジェッツ

ミリングコーチ「リーグトップクラスのチームを接戦で70点台に抑えられた」

横浜は敗れたものの、攻守に渡ってチームプレーを続けることで主導権を握った。特にディフェンスでは全員がハードワークに徹し、オフェンスでも、外国籍選手に頼るのではなく、森川正明のドライブやアウトサイドシュートなど、チーム全員で得点を重ねることで千葉に的を絞らせなかった。

横浜のカイル・ミリングヘッドコーチは「タフな試合になりましたが、40分間戦い抜いた選手を誇りに思います。リーグトップクラスのチームを接戦で70点台に抑えられたディフェンスができた点はとても良かった」と選手を称え、こう続けた。

「終始接戦でしたが、富樫選手やショーター選手にビッグショットを決められてしまった。それでも試合を通して40分間集中して戦えていたと思います。最後の少しの気の緩みをつけ込まれてしまいましたが、最後まで戦い抜いてくれた選手を誇りに思っています」

一方、勝利した千葉の大野篤史ヘッドコーチは「負けるかもしれないというところで、お尻に火が付いた感じがしたので、そうではなくて試合の始めから最後のブザーがなるまで、自分たちのやるべきことをエクスキューションできるようにしていかなければいけない」と振り返った。

この試合は苦しい展開が続いたが、最後まであきらめなかったことで接戦を制した。それでも、大野ヘッドコーチは「どっちかというと負けた3試合(コロナ復帰明けの宇都宮、川崎戦)の方がエナジーがあって、勝ちたいという気持ちが見えたと思います」と言い、「ちょっと危機感を持っています」と気を引き締めた。

「自分たちの成し遂げたいものが近づいてきている状況の中、もっと感情の高まりが僕は必要です。相手がどうとかではなくて、自分たちの成し遂げたいものが何なのかをもう一度見つめ直して、心の整理をしっかりしていきたいです。もっと危機感を持たないといけない、その一言に尽きると思っています」