クリス・ポール

「この年齢でプレーし続けられることに感謝しかない」

40歳になったクリス・ポールは、8年ぶりのクリッパーズ復帰を果たした。現地7月28日、その復帰会見が行われ、ポールは「感情が高ぶって、言葉にならない」と喜びをあらわにした。

最初に投げ掛けられた質問は「クリッパーズに戻るために控えを受け入れるのは難しかったのでは?」だったが、ポールは「考えもしなかった」と答え、こう続けた。

「この世界にいると、多くの人が勝手なストーリーを語る。家族と休暇を過ごしている間、僕が先発しか受け入れないという記事を見たけど、僕にとってはここまで長くプレーできていることに感謝の気持ちしかないし、やっぱり決め手は家族だった。家族と一緒に過ごしたいという願いは、ずっと心の中にあったし、何度か語ってきたよね。言葉にすることで実現してくれればと思いつつ、実現するかどうかは分からなかった。その機会を与えてくれたクリッパーズには感謝しかないよ」

ポールは、「引退するためにクリッパーズに戻って来た」という報道についても、そうなる可能性はあるとしても、現時点で引退は頭にないと明言した。「僕は今だけに集中し、そのことを楽しんでいる。それが今の僕の幸せであり、考えていることだ」

「僕はどんな手を使ってでも自分の『家』と言うべきクリッパーズに戻りたかった。チーム構成がどんなものであろうと関係なかった。でも、このオフの補強にはとても興奮している。ブラッド(ブラッドリー・ビール)とブルック・ロペスを獲得し、若手もいる。ジェームズ(ハーデン)やカワイ(レナード)とこのチームがどこまで行けるかと話したことで、その興奮はさらに高まったよ」

8年ぶりのクリッパーズは、彼にとって見慣れない部分も多々ある。アリーナは新しくなり、チームのデザインもリニューアルされた。「チームカラーもロゴも変わったけど、多くのファンは僕がいた頃から変わらない。このチームを今ある形に作り上げた人たちに感謝したい。特に、ここに来てチームカルチャーを作り、ハーデンを始めとする選手たちを連れてきたカワイと一緒にプレーするのは楽しみだ」

「この年齢でプレーし続けられることには感謝しかない。僕はキャリアを通じて日々の積み重ねを重視してきた。だから今回も、どんな状況であれ調子に乗らず、落ち込みすぎることなく進んでいきたい。僕の役割はNBAで過ごした過去20年とは違うものになるけど、毎日の積み重ねが何を意味するのかを示すのはきっと楽しいと思う」

会見後のポールが向かったのは、イントゥイット・ドームの見学ツアーに来ていたファンとの面会だった。突然のポールの登場にファンは大喜びし、『CP3』コールで彼の復帰を歓迎する。彼にとってクリッパーズ復帰初日は、感動ばかりの一日となった。