コンゴロー・デイビッド

「僕が緊張すると、2年生や1年生がそれを見て固くなる」

昨日のウインターカップ1回戦で、優勝候補の一角である報徳学園は八戸工業大学第一と対戦。第1クォーターを30-4と圧倒すると、タイムシェアをしながらリードを広げ、最終スコア102-57の快勝を収めた。

それぞれ5アシストを記録した宇都宮陸とテーブス流河のガード陣、6本の3ポイントシュートを成功させた丸山賢人と主力が結果を出す中でも、一際強烈なインパクトを見せたのが留学生プレーヤーのコンゴロー・デイビッドだ。第1クォーターだけで20得点14リバウンドを記録。本人は「相手は身長がそんなにないのでピック&ロールからのダイブで狙っていくと昨日のミーティングで話していて、セットプレーも上手くいきました」と手応え十分といった様子だ。

コンゴローは208cmのサイズを誇るが、たたゴール下の彼がパスを呼び込んでシュートを打つわけではない。チームとして連動した動きの中で、彼の高さだけでなく機動力とスキルも上手く引き出している。同じ留学生プレーヤーを擁するチームと対戦した時に、この武器は生きてくるはずだ。

ウインターカップの大舞台も3度目となれば慣れたもの。自分が攻守の軸となるだけでなく、留学生だからと甘えずに一人の最上級生としてチームへの気配り、目配りも忘れない。「1回戦だから固くなるかと思ったけど、走ることで自分たちのバスケができました。僕が緊張すると、2年生や1年生がそれを見て固くなってしまい、チームが上手くいかなくなるので、リラックスして試合に入りました」

ただ一つ、彼が気にしているのは無観客での開催であること。第4クォーターに生まれた報徳学園の100点目の得点は、ワンパス速攻から宇都宮がフワリとボールを浮かせ、コンゴローがダンクで締めるアリウープ。しかし、本来であればワッと盛り上がるはずの観客席には誰もいない。「たくさんのお客さんがいると僕たちも気分が乗るし、良いプレーを見て喜んでもらいたいと思う。明日はもっともっと強い報徳を見せて、僕も活躍したいです」とコンゴローは言う。

もっとも、今日行われるはずだった桐光学園との2回戦は不戦勝に。次の試合は26日の3回戦となる。ここで勝てば準々決勝、そこからはコンゴローが待ち望む、観客を入れての試合となる。

「3年生やから自信を持ってやらなきゃダメ。今回のウインターカップをベストなものにしたいです」と語るコンゴロー。留学生プレーヤーの彼にとっても、今大会は高校バスケの総決算。もっともっと強烈なインパクトを残してくれそうだ。