
劣勢を跳ね返す原動力となった3本の3ポイントシュート
千葉ジェッツは、群馬クレインサンダーズとのチャンピオンシップクォーターファイナルのゲーム3を72-68で勝利。ゲーム1を落としてからの2連勝で、セミファイナルへと駒を進めた。
試合全体を見ると、千葉Jの勝因は第3クォーターの6失点など、3連戦の終盤になっても粘り強いディフェンスを継続できたことだ。そして忘れてはいけないのが、前半に群馬の巧みなボールムーブからオープンシュートの機会を次々と作られ、3ポイントシュート17本中9本成功と高確率で決められながらも、わずか4点ビハインドでハーフタイムを迎えられたこと。
この粘りをもたらした立役者が、前半に3本の3ポイントシュートをすべて成功させてオフェンスを支えた金近廉だ。金近はカットインから豪快なダンクを決めるなど24分16秒の出場で14得点3リバウンド2アシストを記録した。
千葉Jのトレヴァー・グリーソンヘッドコーチは「廉の活躍はチームにとって大きかったです」と金近の飛躍に目を細める。「彼には『3ポイントシュートを5本決めてほしい』と言い続けています。彼がアグレッシブにプレーする姿は好きです。シューターとしてだけでなく、カットインでも相手に脅威を与えています。ピック&ロールも素晴らしいですし、彼が成長を続けているのはうれしいです」
このシリーズでの金近は、ゲーム1で欠場した渡邊雄太の代わりに先発起用されると32分39秒とフル稼働も3ポイントシュート6本中1本成功の7得点。そしてゲーム2は16分58秒出場で0得点に終わっていた。
「レギュラーシーズンの最後は良い流れで来ていたので、質の高いプレーをこのままチャンピオンシップというレベルの高い舞台で見せることを自分の中で目標にしていました」と語る金近にとって、最初の2試合は悔しさばかりが残っていた。「昨日の2戦目はチームとして本当に良い勝利でしたが、自分の中では1戦目、2戦目と納得いくパフォーマンスができなかったです。今日こそは何としてもチームに貢献したいと思っていました」

「自分の力で出番を確保できたことは、一つ大きいです」
金近は、SNSに心ないメッセージも寄せられていたことも明かした。しかし、それに屈することのない強靭なメンタルで見事なステップアップを果たした。「昨日、DMで『お前なんかいらねぇ』ってメッセージが来ていました。もちろん僕も昨日のパフォーマンスだったらそう思いました。これが嫌とかいうわけではなく、シンプルな評価だと思います。ただ、その人に今日の試合の感想を聞きたいなと思いますけど、本当にとにかくなんとしても勝ちたかったです」
「コーチも言っていましたけど、50点差でも1点差でも勝ちに変わりはない。負けたら終わりという試合で、良いパフォーマンスができたのが自分の中では一番良かったですし、次のセミファイナルにも生きてくると思います」
ゲーム3で金近は、接戦での試合終盤という大事な場面でもコートに立ち続けた。これは彼にとって大きな意味を持っている。「ジェッツで3シーズン目を迎え、レギュラーシーズンでは自分の活躍で勝利をもたらすことができた試合もいくつかあります。ただ、チャンピオンシップではそういう試合がほとんどなくて、プレーの強度が上がる中で自分のプレータイムは少なかったです。それがしっかりと、今日は自分の力で出番を確保できたことは、一つ大きいですし、成長かなと思います」
セミファイナルの相手はリーグ最高勝率の長崎ヴェルカで、アウェーゲームで今回のような大声援というアドバンテージは得られない。不利な要素はいろいろとあるが、千葉Jは過去2年連続でファイナルをあと1勝で逃しており、金近個人にとってファイナルは絶対に譲れない舞台だ。
「練習生で加入して試合に出られない時に準優勝だったファイナルを横浜アリーナで見ています。今度はコートからあの景色、熱量の高さを体感したいです。昨シーズンはタイトルが取れなかったので、今回はなんとしても優勝したいです。僕らだけでなく、ファンの皆さんも千葉ジェッツは強いチームと思ってくれています。ファンの皆さんと一緒に、みんなが待ち望んでいる横浜アリーナに行きたいです」