主力の契約最終年が重なる来シーズンが『勝負の年』に

ウォリアーズがプレーイン・トーナメントでサンズに敗れ、シーズンが終了してから3週間。ヘッドコーチのスティーブ・カーが新たに2年契約を結んで続投することが決まったと『ESPN』が報じた。

サンズとの試合、すでに大差が付いて負けが決まった残り1分に、カーはステフィン・カリーとドレイモンド・グリーンをベンチに下げて抱擁を交わした。「君たちには関係のないことだ(笑)」と記者会見では煙に巻いたが、続投について率直な気持ちをこう語っていた。

「何が起きるかは分からない。私はコーチ業がまだ好きだが、この仕事に賞味期限があることも理解している。一つの時代があり、それが終われば新しい血や新しいアイデアが必要になる。そうなったとしても、このチームをコーチする人生で最も素晴らしい機会を与えられたことには感謝しかない。まだ続くかもしれないし、そうならないかもしれない」

1988年のNBAドラフトでサンズに指名されたカーは、マイケル・ジョーダンを擁するブルズ全盛期の一員として、また2003年にはスパーズで、現役時代に5度のNBA優勝を経験。サンズのGMや解説者を経て2014年にウォリアーズのヘッドコーチに就任すると、『ペース&スペース』のバスケでNBAに一時代を築き、指導者としても4度のNBA優勝を勝ち取った。

ステフィン・カリーとクレイ・トンプソンの『スプラッシュ・ブラザーズ』とドレイモンド・グリーンがそのバスケの軸。それでもチームには賞味期限があり、5年連続のNBAファイナル進出(うち3回優勝)が2019年に途切れた後の7年間では、1度は優勝したものの4度はプレーオフ進出を逃している。カリーは38歳になり、今シーズンも平均26.6得点とシュート力は健在であってもケガが増え、トップコンディションを保つのに苦労するようになった。一方で若手の成長はなかなか進まず、ここからチームを上向かせる難易度は相当に高い。

だからこそカーも、ここで身を引いてチームの新たなサイクル作りを後進に任せることを考えた。しかし、一度チームを離れて気持ちをリセットし、オーナーのジョー・ラコブやGMのマイク・ダンリービーJr.との複数回の面談を経て、続投を決断した。

2年契約ではあるが、来シーズンが実質的な『最後の勝負』になるだろう。2026-27シーズンはカリーとグリーン、ジミー・バトラーが契約最終年を迎える。カリーの『ラストダンス』をコーチとして並走することが、カーに新たなモチベーションを与えたのは想像に難くない。