2003年のドラフトで従兄弟が指名され「僕にもできる」
クリッパーズでプレーするセンターのイビツァ・ズバッツは、ボスニア・ヘルツェゴビナの中でも人口5000人あまりの小さな町、モスタルで生まれ育った。彼がNBAという夢を具体的な目標として見られるようになった理由は、従兄弟の存在にある。
2003年のドラフト全体22位でネッツから指名された元NBA選手のゾラン・プラニニッチは、ズバッツの従兄弟。プラニニッチはNBAで3シーズンを過ごしてヨーロッパに戻った。その姿を見たことで、ズバッツはアメリカ行きを具体的に考えられるようになった。
ポッドキャスト番組『Legit Checkt』に出演したズバッツはこう語る。「バスケットボールに真剣に取り組もうと思ったのは、2003年に従兄弟がNBAでプレーするようになってからだった。同じ町で育った彼がNBAに行って、『僕にもできる』と思ったんだ。彼がドラフトで指名されたこと、NBAでプレーしている姿を見られたことが、僕にとって最大の刺激になった」
ズバッツは、幼いうちに親元を離れてクロアチアのザグレブに単身で移り住み、バスケットボール選手としてのキャリアを歩み始めた。そして、2016年のドラフト全体32位でレイカーズから指名され、現在に至っている。
ズバッツは「夢をかなえるのは無理だと思ったこともあった。でも、乗り越えられたおかげで今がある」と話す。
「14歳の時にクロアチアの首都ザグレブで一人で生活するようになってから、より真剣に取り組むようになった。クロアチアの代表チームでもプレーできるようになったからね」
代表でプレーしたことがきっかけとなり、adidasからスポンサーシップを持ちかけられ、それがNBAスカウトの目に留まるきっかけとなってドラフト指名に至った。
「スカウトが僕を視察に来て、それからドラフトの指名予想に名前が載るようになった。モチベーションは上がったよ」
ズバッツのNBAキャリアは始まったばかりだが、彼のサクセスストーリーは、プラニニッチの背中を追いかけた幼少時代と同様に、多くの子供たちに影響を与えている。