タイリース・ハリバートン

シアカム「全員が自分らしく、全力でプレーする」

ペイサーズは敵地での第5戦で、自分たちの攻撃的なスタイルを封じ込まれて94-111の大敗を喫した。いまだ3勝2敗とリードしてはいるが、ニックスはペイサーズのバスケに全く歯が立たなかったところからアジャストを進め、不動のスタメンを含めたラインナップ変更を行い、選手たちは自信を取り戻しつつある。

それでも、ペイサーズの選手たちに焦りはなかった。タイリース・ハリバートンはクラブ史に残るトリプル・ダブルを記録した第4戦から一転、わずか8得点6アシストと完璧に抑え込まれた。試合後には「厳しい試合だった。上手く抑えられたから、もっと頑張らなきゃ」と語ったが、その表情にはまだまだ余裕があった。

ハリバートンは落ち着いた口調でこう語る。「もう負けられないニックスが必死になるのは分かっていた。彼らの戦いぶりは素晴らしかったと思う。でも、次は僕たちが応える番だ」

「向こうは基本的には同じプレーをしていたけど、ディフェンスでいくつか新しいプレーを入れてきていた。それに対して僕らは映像を見てアジャストし、2日後に同じ相手とまた戦う。勝敗にかかわらず、そうやって改善する点を見つけていくのがプレーオフのバスケの面白いところだ。僕らはもっと良いバスケができる。今日やれなかったのは僕の責任だけど、第6戦ではやってみせるよ」

驚くべきことに、ペイサーズは現地3月10日以降、レギュラーシーズンの19試合とプレーオフの15試合で連敗を記録していない。「物事が上手くいかない時こそ、僕たちは良い答えを出そうとする」とハリバートンは言う。「こういう時に様々な批判が出るのは分かるけど、パニックに陥る必要はない。確かに厳しい負けだったけど、僕らはみんな映像から何を学べるかと考える。コーチの(リック)カーライルはそこに精通しているし、僕も映像をしっかり見直すつもりだ」

パスカル・シアカムもハリバートンと同じく、厳しい負けを受け入れながらも、前向きな姿勢は失っていない。「シーズンを通して僕らは素晴らしいチームであり続けている。僕らの強さは、何があろうと一緒に戦い続けるところにある。僕らがここまで勝ち上がると予想していた人はそう多くはないはずだ。カンファレンスファイナルで3勝2敗、これは素晴らしいことだし、シーズンを通して勇ましく戦ってきたチームを誇りに思うよ」

ラプターズ時代に優勝を経験しているシアカムはこう続ける。「相手も必死だ。そして1勝をもぎ取った。これがNBAだよ。僕らもNBAファイナルに意識を向けるようなことがあってはいけない。まずはニックスに勝つことだ。ホームで決めたい。全員が自分らしく、そして全力でプレーする。その正しいマインドセットを僕らは持っているよ」