リバウンドが取れず、終盤に失速した栃木戦
滋賀レイクスターズは前節の栃木ブレックス戦に連敗し、リーグ中断期間を挟んで5連敗となった。特に栃木とのゲーム2は滋賀のペースに終始し、連敗を止めるチャンスだった。それでも勝負どころでパフォーマンスを落とし、自ら勝ち星を逃してしまった。
15得点8アシストと滋賀の攻撃の中心となった並里成は「僕ら自身のエラーもあったんですけど、リバウンドが僕らは取れなくて、向こうが取れたというのが勝敗の分かれ目」と試合を振り返った。
試合を通してのリバウンド数では35-33と滋賀が上回っている。だが第4クォーターだけを見ると5-14と大きな差がついた。オフェンスリバウンドに至っては1-9と、栃木のストロングポイントを存分に発揮されて屈した形となった。
「5人がリバウンドに入るべきだったのかな。1対1では向こうに勝てないので、みんなで協力してリバウンドからルーズボールまでいく必要があったんじゃないかと思います」
ケガで欠場したベンキー・ジョイスの穴を埋めていたファイ・サンバが、最終クォーター残り7分の場面で負傷退場となるなど、滋賀にとっては不運があったのも確か。それでも並里は「僕らより彼らのほうが勝ちたい気持ちが上回って、ボールに対する執着心に表れたと思います」と冷静に敗戦を受け取めた。
「ゲームで発揮するのは自信がないとできない」
だが逆転負けの理由はリバウンドだけではない。終盤の大事な時間帯に落ち着いてプレーできず、失点に直結するターンオーバーを連発したことがより大きな問題だった。
この点について並里は「自信が足りない」と言う。「良いものは持ってるんですけど、まだみんな自信なさそうにプレーするので。ゲームで発揮するのは自信がないとできない部分もあるので、どうにかその自信をつけてもらいたいと思います」
「僕自身もうまく声をかけて、リラックスさせながらチームを締めながらやっている」と並里は言うが、栃木の勢いの前にチームは意気消沈し、アウェーの雰囲気に飲まれたこともあって敗れた。並里は司令塔として、そしてチームリーダーとして責任を感じている。
「みんなに刺激を入れるなり、喝を入れるなり、何かしら自分の中でできたんじゃないかと。そこが僕自身のステップアップしていかないといけないところだと思います。みんな、やるべきことは分かっているので」
並里は栃木の強力なプレッシャーディフェンスに対し、ボールをしっかりキープし、味方のアシストを連発するなど、自信を持って、堂々とプレーしていた。栃木は並里がプロキャリアをスタートさせたチーム。ブレックスアリーナでプレーしたのは実に9年ぶりのこと。「僕のプロ生活を始めた場所なので新鮮で、ルーキーに戻った感じがしました」と、その点では『原点回帰』で気が引き締まり、新たなモチベーションにもなったようだ。
「一人も外れず円になってやっていきたい」
結果的に連敗を喫したが、シーズンがちょうど折り返しを迎えるこのタイミングで栃木と対戦し、現在の課題が浮き彫りとなったことは収穫と言える。いや、収穫に変えなければ、チームとしての成長はない。並里も「栃木は40分間自分の仕事をやり続けられるチームで、そこは僕らが学ぶところです。この後半戦の一発目に栃木さんとやれて良かったなと思ってます」とポジティブに受け止めた。
「みんなで一日一日ステップアップできるように声かけながら、一人も外れず円になってやっていきたいなと思います」とチームの和を大事にしつつ、個人としては「もっと安定して、もうちょっと余裕をもちたいです。上を目指すのは尽きないです」と成長を誓った並里。
チームに自信を植え付けることができれば、上位チームにも対等に渡り合えるはずだ。後半戦の巻き返しは並里の双肩にかかっている。
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