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「みんなのおかげで15歳の頃の気持ちでプレーできる」

サンダーはティンバーウルブズとのカンファレンスファイナルゲーム5124-94と圧勝。シリーズ通算41敗で、2012年以来となるファイナル進出を決めた。

試合の出だしからサンダーは、ウルブズを攻守で圧倒。相手エースのアンソニー・エドワーズを徹底マークして自由を奪い、他の選手たちにも粘り強くプレッシャーをかけた結果、第1クォーターの相手のフィールドゴールを20本中3本成功に抑え込む。さらにオフェンスでは、エースのシェイ・ギルジャス・アレクサンダーがこのクォーターだけで12得点を挙げ、26-9と大量リードを奪う。

これで完全に勢いに乗ったサンダーは、第2クォーターに入ってもウルブズを付け入るスキをまったく与えなかった。前半だけで33点の大量リードを奪い、そのまま後半は楽々と逃げ切った。

この試合34得点8アシストを記録したシェイは、シリーズ5試合のうちサンダーが勝った4試合すべてで30得点8アシスト以上を挙げてエースの責任を果たし、ウエスタンカンファレンスファイナルMVPを受賞。シェイは、ホームの愛すべきファンと一緒に喜びを分かち合うためにも今日でシリーズを終わらせたかったと語る。

「個人的に2つのことが頭にあった。まず、負けてミネソタに移動したくなかった。そしてファンにホームアリーナで、ファイナル進出を見てもらいたかった。今夜は家に帰ってお酒を飲んだりとか、何でもいいから自由に楽しんでほしい。僕は、ファンのみんなのサポートにふさわしい喜びを与えるために、自分のエナジーを出し、ハードにプレーしたんだ」

サンダーはシェイを筆頭に、ジェイレン・ウィリアムズ、チェット・ホルムグレンなどリーグ屈指の若手スター選手が揃っている。そして、試合後の勝利のオンコートインタビューに応じる選手をいつもみんなで見守っていることからわかるように、仲の良さによる結束力の強さも大きな武器だ。「チームメイトは特別な存在だ」とシェイは改めて強調する。

当然だが、NBAは巨額の金額が動くプロスポーツビジネスの最前線であり、彼のようなトップスターはコート内外において大きなプレッシャーを受ける。だが、シェイは今、チームメートのおかけで、『純粋にバスケットボールを楽しむこと』ができていると語る。

「彼らのおかげで僕はNBAでプレーすることを仕事と感じずにいられる。シーズン中は多くの移動があり、アップダウンもあって大変だ。それでもみんながいるから、僕は15歳の頃の気持ちでプレーできる。試合と、彼らと一緒にいることが楽しいんだ」

今回のファイナル進出は、サンダーにとってケビン・デュラントが移籍して以来初。このことを関連づける声は多いが、シェイは「前回と今回に関係性はまったくないし、そのことを考えもしなかった。例えば(デュラントが移籍した)9年前のことは僕たちがコントロールできることじゃないからね」と気にしていない。さらに言うと「これは僕たちの目標ではないし、最終地点ではない。もっとチームを成長させ、もう1つのシリーズを戦うだけだ」とファイナルに出ることへの達成感もない。

シェイを筆頭とした今のサンダーの面々は、デュラント時代も成し得なかったファイナルに勝つことしか考えていない。