後半の反撃をガードナー、金丸の決定力で断ち切る
10月5日、シーホース三河は敵地で迎えた琉球ゴールデンキングスとの開幕戦で、序盤に奪った大量リードを守って71-61で逃げ切った。試合序盤は互角だったが、イージーシュートを決めきれない琉球に対し、三河は川村卓也の3ポイントシュート連続成功などで突き放し、第1クォーターで10点のリードを奪う。
第2クォーターに入っても琉球はオフェンスのミスが多く、シュートで終われないシーンが続く。三河はその隙を見逃さずに着実に得点を重ね、残り7分半にはダバンテ・ガードナーの得点でリードを大量20点差にまで広げる。
後半、リバウンドから主導権を握った琉球に追い上げられ、第4クォーター中盤には5点差とされるも、三河はこの試合21得点のダバンテ・ガードナー、20得点の金丸晃輔がさすがの決定力を発揮して琉球の勢いを断ち切った。
この試合、ともに激しいディフェンスを遂行した中、勝敗を分けたのはオフェンスの決定力であり、その違いをガードナーとともに生み出したのが金丸だった。
金丸はこう試合を振り返る。「前半は良いバスケができましたが、後半は単純なミスからファストブレイクを許すなど、ウチの悪いところが出てしまったので内容としては良くなかったです。でも開幕戦を勝ち切ったことにまず意味があります」
また、自身のパフォーマンについては、代名詞であるジャンプシュートを止めようと間合いを詰めてくる相手守備の裏を突き、ゴール下のダイブからの得点が目立ったことを次のように振り返った。「今日の得点はリングに近いところが多く、キャッチ&シュートより合わせのプレーからのシュートが多かった。日によって違う形で得点を取れるのは良いことですが、正直に言うともうちょっとアウトサイドで打ちたかったです」
「見てくれているのが僕にとってありがたい」
昨シーズンの金丸は、スタッツではいつもと変わらない成績を残したが、一方で主力選手が入れ替わったことで、これまでのような連携を構築できずに苦しんだ。今オフ、チームは積極的な補強を実施したことで、コンビネーションについては探っている最中。しかし、昨シーズンとは違った手応えを得ている。
「まず、どこからでも得点を取れるのが三河の強み。でもみんな、常に自分で攻めていくというプレーヤーではないです。空いていたらパスをするし、ボールを持っていたら僕の動きを見てくれている。まだ、阿吽の呼吸ではないかもしれないですが、見てくれているのが僕にとってありがたいです。そのあたりは大きいです」
そして、特に注目が集まるガードナーとの連携については、彼の非凡なパスセンスをこう称賛する。「長くやっている(桜木)ジェイアールからパスが来るタイミングは分かります。ガードナー選手もそれに匹敵するようなタイミングで来ることが多く、それはやっぱりすごいと思います」
まだシーズンは始まったばかりだが、「去年よりは全然、良いと思います」と金丸はチームの可能性に自信を見せる。昨シーズンの三河は開幕5連敗と出だしでつまずいてしまったが、敵地で連勝スタートとなれば、大きな弾みがつく。そのためには、今日も金丸の得点が必要だ。