
「今日のような強気なプレーこそ、僕がやるべき仕事」
ニックスはプレーオフのファーストラウンドで、ホークス相手に1勝2敗とスロースタートを切った。その後の3連勝は、ジェイレン・ブランソンがボールを持ちすぎるスローペースのバスケから脱却し、チーム全体でボールを動かすことで実現した。
この重要な変化は、セブンティシクサーズとのセカンドラウンドに生きた。現地5月10日の第4戦、この試合も右足ハムストリングの肉離れでOG・アヌノビーを欠いたが、チームの勢いは落ちなかった。速いペースを保ちつつ、高さのミスマッチ、スピードのミスマッチを的確に見抜いて突いていく。シクサーズは集中を欠いたわけでも、プレーの強度が低かったわけでもない。追い詰められた者の必死さがあったが、ニックスはそれを凌駕した。
しかも、3ポイントシュートが当たりに当たった。13本中11本と驚異的な確率で決めた第1クォーターを43-24と圧倒。しかも、このシュートタッチ好調は勝負を決めて主力が下がるまで続いた。第3クォーターまでで37本中23本成功(62.2%)。速いペースがあり、適切なスペーシングを取った上で、空いた選手を素早く見定めてパスを出して、キャッチ&シュートのチャンスを作り出した。
守備が強調されるプレーオフで144得点を挙げられた理由は、シュートタッチが良かっただけではない。フィールドゴール成功49のうち33にアシストが付き、15本のオフェンスリバウンドからセカンドチャンスで18得点を奪い、速攻でも20得点を記録した。
これだけのバスケをされては、シクサーズに打つ手はない。第2クォーター開始3分半にタイムアウトを取った時点で27点差。この時点で実質的にシリーズは決着がついていた。
マイルズ・マクブライドは7本の3ポイントシュートを決めてゲームハイの25得点を記録。ティップオフからの5分間で4本連続で3ポイントシュートを決め、ニックス圧勝の流れを作り出したのは、アヌノビー離脱を受けて先発起用されているマクブライドだった。
「いつも自分の積み重ねた努力を信じて、打つシュートはすべて決まると思って打っている。今日は相手が僕をフリーにした。今日のような強気なプレーこそ、僕がやるべき仕事だと思う。コーチもチームメートも僕を信頼してコートに送り出してくれるから、僕としては自信を持って思い切りやるだけさ」
MILES MCBUCKETS!!!!! pic.twitter.com/sFayWNsGbw
— NEW YORK KNICKS (@nyknicks) May 10, 2026
マクブライドの活躍は得点だけではない。シクサーズで最も爆発力のあるタイリース・マクシーのマークを担当し、フィールドゴール16本中6本成功の17得点に抑え込んだ。シュートが入りまくって得点が伸びる展開で、ディフェンスへの意識が疎かになっては足元をすくわれかねないが、守備でもハードワークを続けてその余地を残さなかったのは大きな仕事だ。
それでもマクブライドは「それはチームディフェンスの成果だ」と話す。「マクシーがスピードで振り切ろうとした時はカバーしてもらった。ポケットにいる(ジョエル)エンビード、カットする(ケリー)ウーブレイJr.、3ポイントシュートを狙う(ポール)ジョージへのケアまで全員でディフェンスしたんだから、全員を称えるべきだ。もちろん、素晴らしいスカウティングをしてくれたコーチ陣の功績でもある」
これで2年連続のカンファレンスファイナル進出。ピストンズとキャバリアーズの勝者と対戦することになるが、こちらは2勝1敗とまだ長引きそうで、ニックスは心身を休める余裕が持てるし、その間にはアヌノビーの回復も期待される。
ファンが本当に期待するのは今世紀に入ってから実現していないNBAファイナル進出であり、1973年以来遠ざかっているNBA優勝だ。ただし選手たちに浮かれた様子はない。ブランソンは「ファーストラウンドとセカンドラウンドを勝ち抜いただけで、特にこれまでより良い状況にあるとは感じていない」と、ジョシュ・ハートは「歓喜も安堵もなく、ただ一歩前進しただけだ」と淡々と言う。
カール・アンソニー・タウンズもこう語った。「自分たちが最高のバージョンであることに集中し続けたい。休みを利用して身体を休め、心を癒やす。そうしたら自分たちのバスケの質をもっと高めるために練習に戻るよ。次のシリーズが始まる時に、今シーズン最高の僕たちでありたいんだ」