アレックス・カーク

「自分はBリーグ有数の安定感のある選手だと思っています」

琉球ゴールデンキングスは3月29日、アウェーでサンロッカーズ渋谷と対戦。90-85で勝利した前日に続いて、終盤までもつれる激闘を83-77で制し、同一カード連勝を達成した。

70-70で第4クォーターのオフィシャルタイムアウトを迎えたように接戦が続いたが、琉球は1点ビハインドの残り38秒、ヴィック・ローが値千金の3ポイントシュートを決めて勝ち越す。さらに直後のポゼッションでローがスティールを奪い、SR渋谷はファウルゲームを仕掛ける。ここでローはフリースローを2本とも外してしまうが、アレックス・カークがリバウンドをもぎ取り、ダメ押しのダンクを叩き込んで熱戦に終止符を打った。

カークは22分57秒のプレータイムで16得点、4本のオフェンスリバウンドを含む6リバウンドを記録し、ゲーム1でも16得点5リバウンドを挙げ連勝の立役者になった。今節に限らず、今シーズンのカークは安定感があり、その点に自信をのぞかせた。「(Bリーグ加入当初の)アルバルク東京時代は(安藤)誓哉、(田中)大貴に自分が中心となるシステムで多くのシュートを打っていました。その時と比べると、スタッツは下がっていますし、歳を重ねることで少しスピードも落ちました。ただ、この10年の歴史においても、自分はBリーグ有数の安定感のある選手だと思っています」

また、過密日程の中でも心身ともに充実していると続ける。「今日は正直に言って、エンジンをかけるのが大変でした。先週もEASLで2試合戦い、家に帰ってもあまり休む暇がなかったです。ただ、SR渋谷は良いチームで彼らとの対戦はエキサイティングなので、自然とエネルギーが湧いてきたところもありました」

ちなみに「あまり休む暇がなかった」というのは、カークにとってうれしいことでもあった。なぜなら待望の第2子が誕生したからこその忙しさだったからだ。EASLの3位決定戦終了後、カークがすぐにチームを離れ我が子に会いにいった慌ただしい1日を、こう振り返ってくれた。

「あの日はいろいろなことがありました。朝4時くらいに目が覚めたら、妻と(インターナショナルオペレーションコーディネーターの)金城実希さんから『今、病院に向かっている。いよいよだよ』とメールが届いていました。沖縄に帰るには直行便もないマカオにいるのは辛かったですけど、幸運なことに現代のテクノロジーのおかげでFACE TIMEを使ってその場にいるような感じで妻をサポートすることができました」

「また、病院の素晴らしいサポートに妻の母親、金城さんが助けてくれたのは本当に感謝しています。あの日、食べたのはマクドナルドの小さなサンドイッチだけで、ライバルのアルバルク東京と対戦しました。赤ちゃんが産まれ、試合に勝って3位となってすぐに沖縄に帰った1日でした」

アレックス・カーク

「僕の主観だと、大貴はBリーグの歴史で最高の日本人選手」

そしてSR渋谷戦がエキサイティングな理由の1つには、A東京時代の盟友である田中の存在もある。この2日とも田中は21得点と見事なプレーで琉球を苦しめた。「バイアスがかかっているかもしれないですが、僕の主観だと彼はこれまでのBリーグの歴史で最高の日本人選手です。お互いに歳をとりましたけど、彼は高い能力の持ち主で対戦はワクワクします。それは(A東京時代の優勝メンバーである)誓哉、サック・バランスキー、馬場優大、竹内譲次などと対戦する時も同じ気持ちになります。大貴は常に警戒していますし、この2試合は特に第3クォーターが素晴らしかったです。彼との対戦は楽しいですし、彼がヘルシーで良いプレーをしているのはうれしいです」

現在琉球はチャンピオンシップ圏内にいるが、ライバルとのゲーム差はわずかだ。1つの勝敗で順位が動く状況は、その渦中にいるチームにとって大きな重圧がかかるものだが、カークは「試合後にどこが勝って、どこが負けたか確認するのを楽しんでいます」と、ポジティブなマインドでいることを大切にしている。

EASLが終わってもこれから水曜ゲームが続く過酷なスケジュールは変わらない。ただ、カークは「日本で最高の沖縄に住める反面、移動は大変です。ただ、ESALに出場したことも特権としてとらえ、(タフスケジュールは)僕たちにとって対応しなければいけない責任です」と現状を受け入れている。

そして、「ここから鍵となるのは、チームを引き続き成長させ、ケガをしないこと。すべての試合が大事で、ハードワークを続けてこの状況を楽しむことです」と意気込むと、「幸運にも4月は(12試合中9試合と)たくさんのホームゲームがあります。僕たちにはリーグベストのホームコートアドバンテージがあります」と続けた。

琉球がこの過酷な争いを制し、Bリーグ初年度からのチャンピオンシップ皆勤賞を継続するには、カークのゴール下での安定したプレーが引き続き必要だ。