
「ホッとしている方が80%から90%くらい」
女子日本代表は、『FIBA女子ワールドカップ2026予選トーナメント』の最終戦でアルゼンチンに83-39と快勝。そして本大会の切符を争うカナダがオーストラリアに敗れたことにより、日本はタイブレークで優位に立つカナダを抜いて辛くもワールドカップ本大会への出場権を勝ち取った。
キャプテンの宮澤夕貴は、「今はうれしい気持ちもありますが、ホッとしている方が80%から90%くらいです」と安堵の表情を浮かべる。
試合を終えた日本代表選手たちは、オーストラリアvsカナダをホテルに戻って観戦していた。最後までもつれる中、これまで日本が何度も苦しめられてきたサミ・ウィットコム、カイラ・ジョージとベテランたちの勝負強さによってオーストラリアが82-76で競り勝った。
この時の心境を宮澤はこう振り返る。「ワンプレーごとに一喜一憂していました。サミ選手にジョージ選手と私より年上で、ああやって活躍していて、みんなオーストラリアの3ポイントシュートが入ったり、ドライブが決まったりすると盛り上がって、ミスしたら『あーー』みたいな感じでした。カナダの得意なプレーには『ここだよ』と言ったりしていました。ご飯を食べながらでしたが、『お腹が痛い』とか『全然、味しない』とか言いながらみんなで見ていました」
この大会で日本は初戦のハンガリー、続くオーストラリア、トルコと悪夢の開幕3連敗を喫した。試合の出だしは良くても、後半に入って相手のアジャストに自分たちが対応しきれず、残り10分で崩れて競り負ける同じ展開が続いたことも閉塞感を強める結果となった。
それがカナダ戦では、初めて攻守とも40分を通して自分たちのバスケットを遂行することができて、66-62で待望の初勝利。これで完全に勢いに乗ると、地力のあるアルゼンチンに対して圧勝した。

涙のミーティングでよりチームが一つに
宮澤は、カナダ戦でチームが大きく変わったきっかけとして、トルコ戦後のミーティングを挙げる。「今までワールドカップは行けて当たり前みたいな感じだったので、行けないことはあまり想像できなかったです。それが最初に3連敗して危ういところで、試合後に行ったチームミーティングから変わったのかなと思いました」
「コーリー(ゲインズヘッドコーチ)が、自分はアメリカ人だけど、ジャパンプライドを持っているし、このチームが大好きという話をしてくれました。そして宮田(知己)アシスタントコーチもすごく熱く話してくれました。それがあってチームが一つになったところもあると思います。言っていいのか分からないですけど、涙のミーティングでした」
チームの結束力をより強固なものとし、最後は連勝を達成。自力で決めることはできなかったが、ワールドカップの切符をつかんだことで、結果と内容の両方において日本にとって得るべきものが大きい大会となった。
その中で、宮澤は9月のワールドカップ本大会に向け、日本が最も改善しないといけない部分をこう語る。「私自身の課題でもありますが、相手のオフェンスリバウンドをいかに減らせるのか。フィジカルが強くて、ボックスアウトしても押し込まれてしまう中で勝たないといけないです。そして今大会、すごく課題だったのはディフェンスだと思います。審判の笛も日本と違う部分がある中でスマートにアジャストしないといけないです」
「そして、どうやったら相手を守れるのか共通理解を深める必要があります。まだ、コーリーのバスケットが浸透していなくて、特に序盤は共通理解が足りていない部分が多いことで難しい戦いになりました。一方、オフェンスは得点を取れているのでそんなに問題ないと思います。でもディフェンスは負けた試合はすべて75点以上を取られていて、それでは日本のやりたい展開に持ち込めない。いかに失点を抑えられるかが、これから日本が世界と戦っていく上で大事になります。そのためにもボックスアウトをしっかりやって相手にオフェンスリバウンドをいかに取らせないかが重要になります」
この大会を通じて宮澤は、キャプテンの役割を見事にこなした。「今大会はキャプテンとして、チームが若いので目の前のことにフォーカスするように『今はここに集中しよう』とか、緊張があったら『良い顔をしてプレーしよう』など、どういう声がけをしたらチームが良い方向に行くのかすごく考えました」と、振り返る彼女のリーダーシップがあってこそ、日本代表は試合を重ねるごとに内容を良くしていくことができた。
3ポイントシュート、堅実なディフェンスに加えてのリーダーシップ、宮澤が女子日本代表にとってまだまだスペシャルな存在であることを証明した今大会となった。
Nothing like sports 🫶🏻
— FIBA Women's Basketball World Cup (@FIBAWWC) March 17, 2026
Japan 🇯🇵 team followed Australia-Canada game at the hotel and following the Australia win, they got their boarding pass to Berlin! 🛫#FIBAWWC x #AkatsukiJapan pic.twitter.com/VgkY7l45An