「いろいろなところからアタックできたのは今までと違った部分」
女子日本代表は、『FIBA女子ワールドカップ2026予選トーナメント』のゲーム4でカナダに66-62で勝利し、今大会初勝利を挙げた。これで日本は明日のアルゼンチンとの最終戦に勝利し、カナダがオーストラリアに敗れた場合、本大会への切符を獲得できる状況となった。
この試合、日本は出だしでカナダのサイズの有利を生かしたインサイドアタックで失点を重ね、開始5分で9点のビハインドを背負う。この嫌な流れを断ち切ることができたのは、山本麻衣のおかげだった。山本は卓越した個人技からレイアップ、3ポイントシュートを高確率で決め第1クォーターだけで12得点をマーク。この山本の大暴れによって第1クォーターを18-21と僅差で終えることができたことは、試合全体の流れを考えると大きかった。
最終的に山本は16得点に加え、2スティールと守備でも貢献し、この試合のMVPに選出された。「本当にやっと勝てた、ホッとした部分は大きいです。次に繋げることができてうれしいです」と待望の大会初勝利について語る山本だが、この試合はチーム1のゲームメーク能力を誇る町田瑠唯が欠場しており、同じガードの田中こころと2人で司令塔の役割を担った。
山本は試合前、田中と積極的に仕掛けて相手ディフェンスを切り崩すことへの重要性を再確認したと明かす。「町田選手がいる、いないでは全然変わってくると思いますが、プレーできるメンバーでやるしかないです。こころとは試合前に、自分たち2人で相手の守備をかき回して頑張ろうと話していました。2人でこうやってオフェンスの勢いをつけられて良かったです」
また、山本は自分たちでボールを持ちすぎないことも大切にしていたと続けた。「前半はガードが攻めることができていましたが、後半になってリズムがちょっと重くなってきました。そこでみんなでボールをシェアして、ウイング陣もアタックするなどコートのいろいろなところからアタックできたのは今までのゲームと違った部分でした」
さらにチームを救った第1クォーターの爆発について、「ベンチスタートだったので、相手のやってくるディフェンスを見て、どういう風に攻めたら良いのかイメージしてコートに入れました。そして相手の弱みをしっかりアタックすることができました」と振り返る。
「本当にチームで勝ち取った勝利だと思います」
山本はここまで4試合すべてで15得点以上と高値安定のプレーを続けている。個人として好調を維持する中、カナダ戦の勝負どころでは自ら強引に仕掛けるのではなく、自身の引力で相手ディフェンスを引きつけ味方を生かすパスさばきも光った。
そこには「日本のバスケットは1人が目立つ活躍をして勝てるスタイルではない」とチーム全員の力を結集することへのこだわりがある。「本当に今日は、出てくるメンバーみんなが点を取ってくれました。最後、ノリ(今野紀花)がシュートを決めてくれ、ディフェンスではチームでカバーしあって守れたところですごく安心できました。本当にチームで勝ち取った勝利だと思います」
ワールドカップ出場の望みを繋ぐ絶対条件であるアルゼンチン戦への勝利に向け、山本は「もう勝つだけです。もう一回みんなで必死こいて勝って、ワールドカップ出場をつかみにいきたいです」と締めくくった。
この良い流れをキープするには、引き続き山本の『自分でアタックする』と『周りを生かす』を的確に判断した活躍が欠かせない。

