新井楽人

戦術の部分で大きな学び

横浜ビー・コルセアーズは3月7日のレバンガ北海道戦を横浜アリーナで行い、クラブ史上最多となる12,699人の観客を集めた。

そんなクラブの歴史に残る特別な一日にホームデビューを飾ったのがルーキーの新井楽人だ。2月15日のファイティングイーグルス名古屋戦で23秒出場しBリーグデビューを果たしたが、当然ながら1万人を超える歓声は初体験だ。それでも、平常心で試合に臨めたという。

「前回にアウェーでやった時よりも何倍もすごい声援をいただけたので、そこは力になりました。声援はすごく聞こえていたんですけど、そこで萎縮しちゃったりとかそういう気持ちは全然なくて、意外とリラックスして臨めたかなと思っています」

その言葉通り、新井は落ち着いたプレーを披露。リバウンド争いに絡んだ際には、身体を投げうってマイボールにし、コーナー待機が続いた場面ではディフェンスの裏を取ってボールの中継役となり、ゴール下のイージーシュートの機会を作った。それでも、富永啓生に3点プレーとなるバスケット・カウントを献上してしまうなど、4分のプレータイムの中で大きな爪痕を残すことはできなかった。

新井は『Bリーグドラフト2026』で1巡目3位指名を受けて横浜BCに加入。現在は特別指定選手として登録されているが、3年契約を結んでいる。そのため、クラブとしては長い目で新井の育成を考えているだろう。それでも、選手であればすぐに結果を出したいと思うのが普通だ。新井も「残り20試合と本当に少ないですが、その中でローテーションに入っていけたらと思っています。しっかり戦力としてラッシ(トゥオビ)ヘッドコーチに使ってもらいたいです」と言う。

即戦力への思いは、ドラフト指名を受けた選手ほど強い。新井も「期待されているという実感もものすごくありますし、そこに対して責任もある」と言い、今シーズン中に戦力となることを本気で目指している。

「少しでもその期待に応えられるように練習から準備しているつもりなんですけど、試合ではなかなかプレータイムもまだ少ないので。自分の強みであるドライブとボールマンディフェンスは自信を持っているので、もう少しそこをアピールしながらやっていけば、プレータイムも伸びてくるのかなって思っています。これからに期待してくださいという気持ちです」

日本大では良い意味で主力として自由にプレーし、ディフェンスも優れたスラッシャーとしてトップの地位を築いた。そこに北欧の名将、トゥオビヘッドコーチの頭脳や、さらなる身体の強さが加われば、新井の未来は明るい。

「(トゥオビヘッドコーチは)何故こういうプレーを選んだのかとか、相手がこうだからこうしないといけないみたいな、プレーの意図を大事にします。フィジカルの部分は入る前から(厳しいと)思っていたんですけど、それ以上に戦術の部分ですね。自分たちがプレーしている意図を考えながらであったり、その共通認識を持つ。大学にはなかった学びが大きくて、そこはとても勉強になっています」

大学で名を馳せた選手がBリーグの舞台で大成できず、期待値を超えるインパクトを残せなかった例はこれまでにもある。もちろん、チームごとに戦術は異なり、それに伴って選手の役割も変わるため一概には言えないが、早い段階で戦術理解を深めることができれば、そのチームで活躍できる可能性は増す。意図を考えながらプレーするという、大学時代とは違う今の環境は、新井にとって追い風でしかない。