
「不必要な接触で、やるべきではなかった」
NBAは大きなバスケファミリーで、敵と味方でいがみ合うよりも互いを尊重しようとする文化がある。ただ、本気で競い合う中では小競り合いがしばしば起きるし、時にはそれがコート内で収まらないこともある。
現地2月27日のサンダーvsナゲッツがそうだった。西カンファレンスのトップを争うライバルであり、シーズンMVPをシェイ・ギルジャス・アレクサンダーとニコラ・ヨキッチが争う関係にある両チームの対戦は、周囲の期待を裏切らない好勝負となった。しかし、攻守のインテンシティが高すぎることで、試合が進むにつれて試合は荒れていった。
試合はオーバータイムの末にサンダーが127-121で勝利するのだが、第4クォーター残り8分で事件は起きた。ジャレッド・マケインの得点でサンダーが90-88と勝ち越した直後、ナゲッツが攻めに転じるシーンで、ルーゲンツ・ドートがヨキッチに接触。その時に足を上げてヨキッチの左足を引っかけ、倒そうとしたように見えた。
決して激しい当たりではなかったが、ヨキッチは激怒した。今シーズンに左膝を痛めて長期欠場を経験しているだけに、ナーバスになっていたこともあるだろう。ドートに詰め寄るところにジェイリン・ウィリアムズが割って入り、両チームの選手が揉み合いとなった。審判は映像を確認した上で、ドートをフレグラント2で退場にし、ヨキッチとウィリアムズの両者にテクニカルファウルを宣告した。
Lu Dort was ejected after appearing to trip Nikola Jokic on this play.
Nikola Jokic and Jaylin Williams both received technical fouls. pic.twitter.com/ZFyNHpigsM
— ESPN (@espn) February 28, 2026
試合後のヨキッチはこのシーンを振り返り、「あまり触れたくないけど、不必要な動きであり、それに対する僕のリアクションは必要なものだった。バスケの試合で起きるべきではないことだ」と語った。
若い頃のヨキッチは執拗なファウルを受けたり納得のできないジャッジがあるたびにキレていたが、ベテランとなった今はかなり落ち着いた。今回もファウルを受けたシーンでは激高したが、その後の揉み合いについてはノーコメントを貫き、コートで起きたことはコート外に持ち出さない姿勢を示していた。
ただ、サンダーはサンダーで納得いかない部分がある。ヘッドコーチのマーク・ダグノートは「ナゲッツには敬意を払っている」と前置きした上でこう続けた。「言っておくが、次にウチの選手が同じように倒された場合には相手にフレグラント2をコールしてほしい。今回のジャッジは前例となるべきで、それに倣ってもらいたい」
これに対してナゲッツの指揮官、デビッド・アデルマンは「ドートの蹴りは、サンダーからしたら取るに足らないものなんだろうが、卑劣な行為だ」と反応した。
かくして、数日が経過したにもかかわらずドートは釈明することになった。「僕はどの試合でも相手のベストプレーヤーをマークする。簡単な仕事じゃないから、全力で取り組む。僕はフィジカルなプレーをするし、それはチームのために自分が貢献できることでもある。時にはやりすぎだと感じる人もいるだろう。でも、原則としてルール内で収めている」
「この前の試合はずっとフィジカルの攻防が続いた。あのプレーは不必要な接触で、やるべきではなかったと思う。僕としては激しくいかないわけにはいかなかったけど、一線を越えてしまった」
サンダーが再建期に入った時期から、ドートはフィジカルなディフェンスを武器とし、『汚れ仕事』も厭わないひたむきなプレーでチームを支えてきた。常にコンタクトして相手にストレスを与えるのも彼の仕事であり、今回の接触もその一環だ。ただ、彼は自分の非を認めた上でこう続ける。
「僕はダーティーな選手ではない。メディアはそういう話題を煽るけど、それは僕にはコントロールできない。僕はこれまでと同じようにコートに立ち、全力に戦う。その評価は好きなようにしてもらって構わない」