チェット・ホルムグレン&ジェイレン・ウィリアムズ

シェイ・ギルジャス・アレクサンダーも契約延長に合意

NBA優勝を果たしたサンダーは、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーの契約延長を決めた。シェイは1年待つことでさらに大きな契約を結ぶこともできたが、駆け引きすることなく4年総額2億8500万ドル(約430億円)というスーパーマックス契約にサインした。合意は優勝後すぐにまとまっていたが、現地7月8日に正式に発表された。

翌9日にはチェット・ホルムグレン、10日にはジェイレン・ウィリアムズと、2022年NBAドラフト組の2人とのマックス額での契約延長も決まった。

2022年の2位指名選手であるホルムグレンは、右足靭帯のケガで1年目を全休。昨シーズンも股関節の骨折で約3カ月を欠場し、レギュラーシーズンには32試合しか出場できなかったが、プレーオフではその高さとスキルを存分に披露して優勝に貢献した。ホルムグレンは5年2億5000万ドル(約380億円)の契約延長に合意している。

2022年のNBAドラフトで12位指名を受けたウィリアムズは、1年目から主力として3シーズンをフル回転。シェイに次ぐ得点源として、レギュラーシーズンは21.6得点、プレーオフでは21.4得点を記録して優勝に貢献している。新契約は5年2億3900万ドル(約360億円)だが、新シーズンにオールNBA、MVP、ディフェンシブ・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーのいずれかを受賞すればサラリーキャップの30%となる2億8700万ドル(約430億円)を得る。

ホルムグレンとウィリアムズの新契約は2026-27シーズンから、シェイの新契約は2027-28シーズンから始まり、そのすべてがチームオプションもプレーヤーオプションもなく2031年まで完全保証される。つまり、サンダーはこのトリオをこれから6シーズン保有する。

現時点で新シーズンはラグジュアリータックスの対象となるが、ファーストエプロンは超過しない。それでも2026-27シーズンには3人の年俸だけで1億2300万ドル(約180億円)、2027-28シーズンには1億5000万ドル(約230億円)とサラリーキャップを圧迫するが、それでも2026-27シーズンにはアイザイア・ハーテンシュタインやルーゲンツ・ドート、ケイソン・ウォレス、ケンリッチ・ウィリアムズの契約最終年がチームオプションとなっており、フロント主導で調整できる。またドラフト指名権は数えきれないほど保有しており、これも長期的に強力なロスターを保つための武器となる。

今年のドラフトでは1巡目15位でトーマス・ソーバー、2巡目44位でブルックス・バーンハイザーを指名。さらに24位指名権をキングスにトレードし、2027年の1巡目指名権を手に入れた。

選手を育てながら勝ち、なおかつ指名権も保持し続ける。今のサラリーキャップの厳しい制限下で勝つには、ルーキー契約の即戦力をいかに活用するかがカギとなるが、サンダーはその方法論を確立させた。それに追随する他のチームは、悪ければ指名権集めからのスタートになるし、そうでなくてもシェイ、ホルムグレン、ウィリアムズのようなタレントをこれから育てなければならない。勝敗は時の運ではあるが、サンダーは今回の優勝と3人の契約延長で、2031年までNBAを引っ張る要件を満たしたと言える。